女性を中心に人気が高い「ピラティス」。ダイエットやボディメイクに良さそうだからやってみたい!と思っている人は多いのではないでしょうか?
でも、「ピラティスって何なのかよく分からない」という人もきっと多いはず。そこで今回は、ピラティスについて詳しくご紹介します!
- ピラティスとヨガの違いが分からない
- ピラティスのやり方を知りたい
- ピラティスにはどんな効果があるか知りたい
- 初心者でもピラティスができるか気になる
このような方向けにわかりやすく解説をしています。
ぜひご覧ください!
萬代 絵理奈さん(ヨガ・ピラティスインストラクター)
日本外国語専門学校を卒業後、インテリア企業で17年勤務。ハートオブヨガ集中講座や中医養生ヨガ初級を修了。ヨガや筋トレ、登山、スカッシュなど、体を動かす趣味も多く、アクティブで温かみのあるトレーナーさん!
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ピラティスって何?その由来や成り立ちとは
インナーマッスルを鍛え、自律神経や免疫力の働きを高めるエクササイズのこと!
ピラティスとは、呼吸を意識しながら体を動かし、体幹を強化するエクササイズです。深い呼吸によって精神的な落ち着きが得られ、自律神経や免疫力の働きが高まる効果もあります。
ピラティスは考案者であるジョセフ・ハベルタス・ピラティス氏の名前が由来となっています。
元々は彼自身の健康のために編み出したエクササイズでしたが、第一次世界大戦中にドイツ軍の従軍看護師だったピラティス氏が負傷兵のリハビリに活用し、その後はアメリカから世界に広まっていきました。
ピラティスにはたくさんの要素が詰まっている!
病弱だったピラティス氏は丈夫な体になるために、様々なスポーツや健康法を実践しました。
彼のそんな経験から生まれたピラティスには、ヨガ・太極拳・胸式呼吸・動物のしなやかな動きなど、たくさんの運動や理論の要素が詰まっています。
ピラティスの種類は2つ!
マットピラティス
マットの上で行うピラティス。道具を使わず、自宅でもできる手軽さが魅力。
マシンピラティス
専用のマシンを使って行うピラティス。体がサポートされるので安定性があり、効果が表れやすい。
ピラティスには主にマットピラティスとマシンピラティスの2種類があります。
マットピラティスはマットを使って行うピラティスで、日本でもなじみのあるエクササイズです。特別な道具がいらず、マットを敷くスペースがあれば、どこでもできる手軽さがあります。
一方、マシンピラティスは専用のマシンを使って行うピラティスです。いろいろな種類のマシンがあり、体を支えながらエクササイズできるので、初心者でも運動効果が表れやすいのがメリットです。
どんなピラティスマシンがある?
主なピラティスマシンは、リフォーマー・キャデラック・チェア・バレルなどです。最もポピュラーなリフォーマーだけでも、エクササイズの種類はなんと約100通りもあります!
ピラティスとヨガの違いは?
エクササイズのポイント | ピラティス | ヨガ |
呼吸法 | 胸式呼吸 | 腹式呼吸 |
動き | 動き続ける | 静止する |
効果 | インナーマッスルの強化 姿勢の改善 | 心身の調和 精神の安定 |
ピラティスにはヨガの要素も含まれていますが、大きく異なるのは上記のような点です。そのポイントを詳しく見ていきましょう。
呼吸法
ピラティスの胸式呼吸
肋骨や肺を広げて、胸いっぱいに酸素を取り込む呼吸法。交感神経が優位になり、トレーニングに最適な燃焼モードになる。
ヨガの腹式呼吸
おへそのあたりを意識して、お腹をふくらませながら吸う呼吸法。気持ちが落ち着き、リラックス効果がある。
ピラティスとヨガが大きく異なる点は呼吸法です。ピラティスは胸式呼吸で体の基礎代謝を上げるのに対し、ヨガは腹式呼吸で心身をリラックスした状態へ導きます。
動き
ヨガは一つのポーズごとに静止して一定の時間キープするのに対し、ピラティスは動きを止めず、一つの動きを複数回ゆっくりと繰り返します。この点も両者の大きな違いです。
ピラティスは流れるような動きが特徴で、ヨガよりもエクササイズ的な要素が濃いと言えます。
効果
ピラティスは胸式呼吸で代謝を上げ、筋肉をじっくり動かし続けることでインナーマッスルの強化や姿勢の改善などを実現します。
一方、ヨガは腹式呼吸をしながら静止することで、心身の調和を図ります。ヨガは精神的な落ち着きを大きな目的としますが、ピラティスはしなやかな体作りを重視したエクササイズなので、肉体的な変化をより実感できます。
ピラティスの基本的なやり方
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ポイントは「胸式呼吸」と「真っ直ぐな姿勢」の2つ!
ピラティスの基本となるのは、肋骨の動きを意識する「胸式呼吸」と、お腹と背中を引き寄せるイメージの「真っ直ぐな姿勢」です。具体的なポイントを解説しましょう。
基本の呼吸法
- 骨盤を真っ直ぐに立てて座り、お腹と背中を引き寄せるイメージで背筋を伸ばす。
- 肋骨のあたりに両手を添える。
- 肋骨を引き上げながら、鼻から空気を吸って肺をふくらませる。
- 口を細くすぼめながら、ゆっくりと息を吐き出す。
胸式呼吸は肋骨の動きを意識しながら肺をふくらませる呼吸法です。ピラティスはこの胸式呼吸を行いながら体を動かすため、呼吸法のマスターは非常に重要なポイントになります。
胸式呼吸がうまくできるようになると、体が自然とアクティブモードになり、代謝が上がりやすくなります。朝の目覚めに呼吸法だけを行うのもおすすめです。
基本の姿勢(ニュートラルポジション)
- 床に仰向けになり、両膝を立てる。
- 骨盤・お腹・背中が一直線になるイメージで、上半身を床と並行にする。
ピラティスの基本の姿勢をニュートラルポジションと言います。骨盤・お腹・背中を真っ直ぐにキープするイメージで、寝ていても座っていても立っていても基本は同じです。
エクササイズでは、このニュートラルポジションから腕や脚を上げ下げしたり、お尻やお腹を引き締める動きなどに移ります。
ピラティスにはうれしい効果がいろいろ!
ピラティスを続けていると、体が少しずつ変化してくるのを実感できます。そのうれしい効果について、詳しく解説しましょう!
インナーマッスルが鍛えられる
ピラティスの効果で一番に挙げられるのは、インナーマッスルの強化です。
インナーマッスルとは?
体の深いところで関節や内臓などを支える深層筋。鍛えると正しい姿勢を維持できるようになり、基礎代謝も上がる。
インナーマッスルはピラティスのように体をじっくり動かすことで鍛えられる筋肉です。一方、体の表面に近い部分にある筋肉はアウターマッスル(表層筋)と呼ばれ、ウェイトトレーニングなどを行うと大きく成長します。
インナーマッスルは体の深部にあるので、鍛えても体がムキムキになることはありません。つまり、ピラティスは女性らしいボディラインを目指す人にぴったりのエクササイズなのです。
姿勢が良くなる
ピラティスの基本姿勢は、骨盤を立ててお腹と背中を引き寄せる真っ直ぐな状態です。そして、この姿勢をキープしながらインナーマッスルを鍛えるので、日常的に良い姿勢を維持できるようになります。
ダイエットのためのエクササイズというイメージが強いピラティスですが、猫背を治したい人にも大変おすすめです。
肩こりや腰痛が緩和する
肩こりや腰痛は姿勢の悪さや血行不良が原因になっていることが多く、根本的な問題を解決しなければ、何度でもぶり返してしまいます。
ピラティスによって姿勢が良くなると、猫背が原因の肩こりや腰痛が改善されます。また、エクササイズ後は全身の血行が良くなるため、血行不良によるこりや痛みも改善されます。
骨盤のゆがみが整う
骨盤まわりのインナーマッスルが鍛えられると、骨盤を安定して支えられるようになります。すると、骨盤のゆがみが自然に治り、いくつもの良い効果を得られます。
骨盤矯正によるメリットとは
- ぽっこりお腹がへこむ
- 生理痛が緩和される
- 冷え性・便秘・肩こり・腰痛などが改善する
骨盤のゆがみは婦人科系や腸の働きなどに影響します。また、体の軸となる部分なので、肩こりや腰痛などの原因にもなります。ピラティスはこれらの不調を一度に改善する効果が期待できるのです。
ダイエットできる
ピラティスはインナーマッスルを鍛えて代謝を上げるエクササイズなので、ダイエット効果もあります。全身がバランスよく引き締まり、脂肪を燃焼しやすい体質に変化するからです。
食事制限でも体重を減らすことはできますが、筋力がなければ代謝は上がらず、太りやすい体質を変えることはできません。ピラティスはゆっくりした動きを繰り返すだけなので、運動が苦手な人にこそおすすめのダイエット法です。
ストレスが軽減する
ピラティスの基本となる胸式呼吸は、交感神経の働きを優位にさせます。交感神経は私たちの心や体が活動的になっている時に働く自律神経です。
そのため、ピラティスによって交感神経が刺激されると、集中力や意欲が高まり、前向きで明るい気持ちになれます。
ピラティスに向いてる人・向いてない人っているの?
誰でもできるが、目的などによって向き不向きがある!
ピラティスはシンプルな動きをゆっくり繰り返すエクササイズなので、誰でも習得しやすいのが魅力です。ただし、トレーニングの目的などによっては、他のエクササイズの方が向いている場合もあります。
向いている人
- 運動が苦手な人
- トレーニング初心者
- 猫背・肩こり・腰痛を治したい人
- ストレスを手放したい人
流れるようなゆったりした動きが特徴のピラティスは、運動が苦手な人やトレーニング未経験の人でもできるエクササイズです。インナーマッスルの強化によって体のゆがみが改善されるため、猫背・肩こり・腰痛などでお悩みの人にもぴったりです。
また、交感神経が程よく刺激されて気持ちがすっきりするので、ストレス解消のために運動したい人にも大変おすすめです。
向いていない人
- 息が上がるような運動をしたい人
- バルクアップしたい人
ピラティスは有酸素運動の一つですが、ウォーキングやランニングのように息が上がることはありません。そのため、息が上がるほど体を動かしたい人には物足りなく感じられる場合があります。
また、ピラティスで鍛えるのは体の深部にあるインナーマッスルなので、表層部にある筋肉(アウターマッスル)がムキムキになることはありません。バルクアップしたい場合は、ウェイトトレーニングなどでアウターマッスルを鍛える運動が適しています。
ピラティスは自宅とジムのどちらがおすすめ?
自宅がおすすめなのは?
好きな時間にエクササイズしたい人。オンラインレッスンという手もあり!
ジムがオススメなのは?
マシンピラティスをやってみたい人。トレーナーに正しいフォームを指導してほしい人。
ピラティスにはマットピラティスとマシンピラティスの2種類があります。マットピラティスの場合はマットを敷くスペースさえあればどこでもできるので、自宅でのエクササイズに最適です。
一方、マシンピラティスは専用のマシンを使って行うため、設備が整ったジムでレッスンを受けることがおすすめです。マシンピラティスはマシンで体をサポートしながらトレーニングするので、初心者でも効果が表れやすいのがメリットです。
まずはトレーナーの指導を受けるのがおすすめ!
ピラティスは筋肉の動きを意識しながら行わなければ、なかなか効果を実感できません。そのため、初心者はまずプロのトレーナーのレッスンを受けることが一番です。ジムに通うのが難しい場合は、オンラインレッスンを受けるという方法もあります。
ピラティスは男性の生徒が少ないって本当?
最近は男性にも人気!男女一緒が恥ずかしい人は「パーソナルジム」が◎
ピラティスは女性に人気が高いイメージがありますが、最近では男性の生徒も増えています。男性の場合も効果は同じで、インナーマッスルの強化や姿勢の改善などに役立ちます。
女性専用のジムや女性限定のプログラムでない限り、ピラティスの集団レッスンは男女混合が基本です。そのため、「女性と一緒は恥ずかしい」という男性や、「トレーニング姿を男性に見られたくない」という女性は抵抗を感じてしまうかもしれません。
そんな人におすすめなのが、マンツーマンでレッスンを受けられる「パーソナルジム」です。
パーソナルジムはメリットがたくさん!
- 人目を気にせずトレーニングできる
- 自分に合うメニューを提案してもらえる
- 正しいフォームを指導してもらえる
- 食事指導も受けられる
パーソナルジムはプライベートな空間で個人指導を行うジムです。1対1のレッスンなので人目が気にならず、トレーニングだけに集中できます。
また、自分の体型や体力に最適なトレーニングを提案してもらえるのも大きな魅力です。トレーニング中は一つ一つのフォームをしっかりチェックしてもらえるため、より効率よく成果が表れます。
さらに、食事指導を行っているジムが多いのも特徴の一つ。ダイエット目的でピラティスを始めたいなら、食生活の見直しを専門的にアドバイスしてもらえる方が安心です。
ピラティスの服装の選び方は?
- 基本はヨガウェアと同じでOK!
- 飾りが少ないシンプルなデザインが◎
- 吸湿性や速乾性に優れた素材を選ぼう
ピラティスもヨガも体を大きく動かすエクササイズなので、ピラティス用のウェアはヨガウェアと同じタイプの物でOK。ヨガウェアは伸縮性が高いため、ピラティスウェアとしても利用できます。
ウェアのデザインは、飾りが少ないシンプルな物がベストです。リボンやフードなどの飾りが付いていると、ポーズをとる時の邪魔になるので注意しましょう。
また、負荷の高い動きを行うと汗をかくので、吸湿性や速乾性に優れた素材のウェアがおすすめです。
初心者が揃えるならコレ!
セットアップのウェア
上下でコーディネートされているのでバランスが良い。初心者でもおしゃれに見える。
重ね着用のTシャツや長袖
セットアップのトップスがキャミソールやブラトップの場合、重ね着用のトップスもあると便利。季節に合わせて使える。
ヨガソックス
滑り止め付きの5本指ソックス。ポーズをとる時に体が安定する。
レッグウォーマーやアームウォーマー
寒い日の冷え対策に。動いてもずれにくいヨガ用の物がベスト。
ピラティス初心者におすすめのウェアは、セットアップや重ね着用のトップスです。基本はセットアップだけで大丈夫ですが、肌寒い日は重ね着で体温調節できるようにしておくとよいでしょう。それでも寒い時は、レッグウォーマーやアームウォーマーを使うと冷え対策になります。
また、安定したポーズをとるために必要なのが、ヨガ用のソックスです。ヨガソックスは5本指で足裏に滑り止めが付いているので、足にしっかり力が入ります。
まとめ
ゆったりした動きでインナーマッスルを鍛えるピラティスは、運動が苦手な初心者でもできるおすすめのエクササイズです。
猫背・肩こり・腰痛などの改善、ダイエット、ストレス解消など、様々な効果があるので、興味がある方はぜひ気軽にチャレンジしてみて下さいね!