ダイエットや健康に良いと言われる「有酸素運動」。でも、どんな運動なのかよく分からないという人は、意外と多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、有酸素運動の特徴や効果などについて詳しく解説します!
- 有酸素運動とは何か知りたい
- 有酸素運動の効果について知りたい
- 有酸素運動と無酸素運動の違いが分からない
- 有酸素運動をやってみたい
このような方向けにわかりやすく解説をしています。
ぜひご覧ください!
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有酸素運動ってどんな運動?
ウォーキングやランニングなど、ある程度の時間継続して行う運動のこと!
有酸素運動とは、軽度から中程度の負荷をかけながら、ある程度の時間継続して行う運動のことです。ウォーキング・ランニング・サイクリングなど、長時間かけて行う運動が有酸素運動に当てはまります。
私たちの体は、食事から摂取した糖質をグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵しています。運動する際はこのグリコーゲンをエネルギーとして利用しますが、グリコーゲンの貯蔵量は限られているため、足りない分は体脂肪を分解してエネルギーにします。この時に必要になるのが「酸素」です。
酸素で脂肪を分解しながらする運動が「有酸素運動」
ウォーキングやランニングなどを長時間行うと、途中でグリコーゲンの量が足りなくなり、体脂肪の分解が始まります。
体脂肪の分解には酸素が必要なので、体は酸素を取り込みながら脂肪を燃焼し続けます。これが「有酸素運動」です。
無酸素運動との違いは?
無酸素運動は短時間に強い負荷をかける運動のこと。酸素を使わずにエネルギーを作り出す。
有酸素運動と区別されるのが「無酸素運動」です。無酸素運動とは、筋肉に蓄積しているグリコーゲンを分解しながら行う運動で、短距離走やウェイトトレーニングなど、短時間に強い負荷をかける運動が当てはまります。
グリコーゲンの分解には酸素を必要としません。これが「無酸素運動」と呼ばれる理由です。また、グリコーゲンの分解中に疲労物質である乳酸が生まれるため、無酸素運動は有酸素運動のように長時間続けられないのも大きな特徴です。
息が上がるような運動は「無酸素運動」
有酸素運動はグリコーゲンが足りなくなると体脂肪の分解に切り替わりますが、無酸素運動は切り替わる前に筋肉が疲労し、心拍数や呼吸数が上がってしまいます。
短距離走のスピードのまま長距離を走れないのは、このような理由があるからです。
脂肪を燃焼したいなら「有酸素運動」がおすすめ!
有酸素運動:体脂肪を分解しながら行う運動
無酸素運動:グリコーゲンを分解しながら行う運動
有酸素運動と無酸素運動の大きな違いは、筋肉を動かす際にエネルギー源となる物質です。上記のように、有酸素運動は体脂肪、無酸素運動はグリコーゲン(糖質)をエネルギー源としています。
体脂肪を燃焼するのは有酸素運動!
ダイエットは激しい運動の方が効果的と思われがちですが、実際には体脂肪をより良く燃焼するのは負荷か軽い有酸素運動の方です。そのため、ウェイトトレーニングなどの無酸素運動よりも、ウォーキングなどの有酸素運動の方がダイエットに適しています。
有酸素運動の種類
有酸素運動は長い時間継続して行う運動のことで、主に上記のような種類があります。ウォーキング・ランニング・サイクリングなどは、マシンを使えば室内でもできるのが利点です。
負荷をかけ過ぎないように注意しよう!
ランニングやサイクリングは、スピードを出し過ぎると筋肉への負荷が高くなり、無酸素運動になります。体脂肪をじっくり燃焼できるよう、息が上がり過ぎない程度の負荷をかけて行いましょう。
パーソナルジムで行われる有酸素運動の例!
パーソナルジムで行われる有酸素運動は、個々の目標や体力レベルに合わせてカスタマイズされるのが一般的です。主な目的は心肺機能の向上、脂肪燃焼、体力強化などです。以下のような有酸素運動がよく行われます。
ランニングマシン(トレッドミル)
走る、歩く、または傾斜をつけて登ることで有酸素運動を行い、カロリー消費を促します。トレーナーは速度や傾斜を調整して、効率的に脂肪を燃やすためのプランを組みます。
エアロバイク
負荷を調整できる自転車型のマシンで、下半身の筋力強化と同時に心肺機能を鍛えます。長時間の持続的な運動が可能で、膝などの関節に負担が少ないのも特徴です。
ステップマシン
階段を昇るような動きを再現するマシンで、主に下半身の筋肉を使いながら心肺機能を鍛えます。強度調整も可能で、短時間でも高い効果が得られることが多いです。
インターバルトレーニング
有酸素運動と無酸素運動を交互に行うことで、脂肪燃焼を最大限に引き出すトレーニング方法です。例えば、短時間のダッシュと休息を繰り返す形式などがあります。
パーソナルジムでは、トレーナーが各クライアントの目的や体力に応じてこれらの運動を組み合わせ、無理なく効果的なトレーニングプランを提案するのが一般的です。
有酸素運動の4つの効果とは?
有酸素運動は心身に様々な良い効果を与えます。一つ一つを詳しく解説しましょう。
体脂肪が減る
有酸素運動は酸素を使って体脂肪を分解し、それをエネルギーとして筋肉を動かす運動です。つまり、続ければ続けるほど体脂肪が燃焼されます。
体脂肪は主に2種類
内臓脂肪
内臓のまわりにつく脂肪のこと。ぽっこりお腹の原因になる。
皮下脂肪
皮膚の下につく脂肪のこと。特に下半身につきやすい。
体脂肪には主に内臓脂肪と皮下脂肪の2種類があり、内臓脂肪は燃焼しやすく、皮下脂肪は燃焼しにくいという特徴を持っています。しかし、有酸素運動はどちらの脂肪の燃焼にも有効で、落ちにくい皮下脂肪も時間をかければ確実に減らすことができます。
また、体脂肪の元になるのは、血液中にある中性脂肪です。有酸素運動はこの中性脂肪や、同じく血液中にあるコレステロールの減少にも役立ちます。
有酸素運動はすでについてしまった脂肪を減らすだけでなく、脂肪の元になる中性脂肪やコレステロールも減らすため、肥満の予防にもなるわけです。
血流が良くなる
有酸素運動を行うと心臓の機能が高まり、全身に張り巡らされた毛細血管に血液が行き渡ります。すると、冷え・肩こり・腰痛の緩和、むくみの解消、美肌など、美容にも健康にも様々な効果をもたらします。
毛細血管は髪の毛の10分の1から20分の1程度しかない、非常に細い血管です。しかし、栄養や酸素を運んだり、老廃物を搬出するなど、大切な役割を果たしています。
毛細血管は生活習慣の乱れや老化などで衰えやすい血管ですが、有酸素運動で蘇らせることが可能です。運動を続けると様々な不調が改善されるのは、毛細血管が元気になることが大きな理由の一つだと言えます。
生活習慣病の予防
有酸素運動は体脂肪の減少や血流の改善などに効果があります。そして、それらは高血圧・糖尿病・心臓病・脳卒中などの生活習慣病の予防になります。
生活習慣病とは?
食生活の乱れ・運動不足・睡眠不足・喫煙・飲酒など、生活習慣と深い関わりがある病気のこと。生活習慣を見直すことで症状を抑えたり、発症を防いだりできる場合が多い。
生活習慣病には運動不足も大きく関わります。有酸素運動は負荷が軽いため、持病がある人でも取り組みやすく、続けやすいのがメリットです。
ストレスや疲労の解消
疲れが溜まっていると横になって休みたくなるかもしれませんが、実は適度に体を動かした方がストレスや疲労が解消されると言われています。そんな時にぴったりなのが、負荷の少ない有酸素運動です。
多くの現代人が感じる疲労は、体を酷使したせいではなく、運動不足による筋肉の強ばりなどが原因だとされています。そのため、体を動かして血流が良くなると、慢性的な疲労が解消されるケースが多いのです。
また、運動するとセロトニンやエンドルフィンという物質が分泌されます。これらの物質には精神を安定させる働きがあるため、ストレスの解消に役立ちます。
有酸素運動はどれくらいで効果が出る?
- 脂肪の燃焼効果が高まるのは、運動を始めてから20分後くらい
- ダイエット効果が表れるのは、運動を始めて1ヶ月後くらいから
有酸素運動は脂肪が燃焼されてダイエットに役立つのが特徴です。そして、その効果が表れるのは、主に上記のようなタイミングです。この二点について、詳しく見ていきましょう。
脂肪の燃焼効果が高まるのは20分後くらい
「20分以上運動しないと脂肪が燃焼しない」という話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?しかし、これには少し誤解があります。
あくまでも「燃焼が高まる」という意味!
運動を始めて20分くらい経つと、体脂肪を消費する量が多くなります。しかし、脂肪の燃焼は運動開始直後から少しずつ始まっています。あくまでも「燃焼効果が高まるのが20分後くらい」というだけで、20分以下の運動は意味がないということではありません。
ダイエット効果が表れるのは1ヶ月後くらい
有酸素運動をする度に脂肪は燃焼されますが、体重が減り始めるのは平均で1ヶ月後くらいです。また、見た目にもはっきりと痩せたように感じられるのは、大体3ヶ月後くらいです。
1ヶ月から3ヶ月かかると聞くと、長く感じる人が多いかもしれません。しかし、有酸素運動を続けていると、体重が減るよりも前にダイエット成功の予兆がいろいろ表れます。
こんな変化はダイエット効果のサイン!
- 汗をかくようになった
- むくみにくくなった
- 便秘が解消された
- 皮下脂肪がやわらかくなってきた
上記のような変化が表れ始めたら、脂肪の燃焼効果が高まっているサインです。そのまま有酸素運動を続ければ順調に体重が落ちていくはずなので、ぜひ継続しましょう。
有酸素運動のやり方とポイント
日常生活に取り入れやすいのが有酸素運動の良い点ですが、どのように運動するかで効果の表れ方が異なります。ダイエットや健康のために始めるなら、以下のようなポイントを理解しておきましょう。
少しきついくらいがベスト
有酸素運動で脂肪を効果的に燃焼させるには、「少しきつい」と感じるくらいの強度で運動するのがベストです。例えばウォーキングなら、普段歩くよりも少し速いスピードで、歩幅を大きめに開いて歩くくらいがちょうどよいでしょう。
だらだらした動きは筋肉を十分に動かせていないため、ダイエット効果はあまり期待できません。運動する時は、全身の筋肉の動きをしっかり意識して行いましょう。
心拍数を計るのもおすすめ
心拍数を計れば脂肪の燃焼にちょうどいいペースで運動できる!
脂肪の燃焼効果を高めるには、ちょっときついくらいの強度で運動するのがベストです。そしてこの「ちょっときつい」を数値化するのに役立つのが、心拍数です。
心拍数とは1分間に心臓が拍動する回数のことを言います。そして、その心拍数が最も多くなった時の回数を最大心拍数と言います。最大心拍数は年齢によって大体の平均数があり、以下の計算で求められます。
最大心拍数=220-年齢
例えば、30歳の人の場合、最大心拍数は「220-30」で「190」になります。そして、この最大心拍数が分かれば、脂肪の燃焼効果が高まるタイミングも計算できます。
理想の心拍数を計算してみよう!
脂肪の燃焼効果が高まる心拍数=最大心拍数 × 40~60%
30歳で最大心拍数が190の場合、脂肪の燃焼効果が高まるのは、心拍数76~114で運動している時!
心拍数の計測は、心拍計の機能が付いたスマートウォッチを使うと便利です。普段から身に付けていれば、通勤や買い物などで歩く時にも心拍数を意識できます。
食前・食後どちらでもOK!
食前の場合
空腹すぎるのはNG。水分補給をしっかりと。
食後の場合
直後は消化不良になるのでNG。食後1時間くらいがベスト。
有酸素運動は食前・食後のどちらでも行えます。ただし、食前の場合は空腹を避け、水分をしっかり摂ってから行いましょう。空腹のまま運動するとエネルギー不足になり、筋肉に蓄えたたんぱく質まで消費されて代謝が落ちてしまいます。
一方、食後の場合は1時間くらい経ってからがおすすめです。食後の運動は血糖値を下げ、よけいな脂肪を溜めにくくする効果があります。しかし、食後すぐに運動すると、消化に利用されている血液が筋肉に移動してしまい、消化不良を起こしやすくなるので注意しましょう。
毎日20~30分くらいを目安に
10分の運動を2~3回など、小分けにしても大丈夫!
脂肪の燃焼効果が高まるのは、有酸素運動を始めてから20分後くらいです。しかし、脂肪の燃焼自体は運動開始直後から始まっているため、必ずしも20分以上運動しなければいけないわけではありません。
有酸素運動は毎日20~30分くらいを目安に行うのが理想的ですが、1日の中で合計20~30分くらいになれば大丈夫です。通勤の行き帰りに10~15分ずつ歩くだけでも、有酸素運動の効果を期待できます。
朝でも夜でもメリットあり!
朝に運動するメリット
脂肪を燃焼しやすい。目覚めが良くなる。
夜に運動するメリット
ストレス解消や疲労回復になる。睡眠の質が上がる。
有酸素運動は朝と夜のどちらに行っても、それぞれメリットがあります。
朝はまだ血糖値が上がっていないため、効率よく脂肪を燃焼できます。また、寝ている時に優位になっていた副交感神経が活動モードの交感神経に切り替わるため、目覚めも良くなります。
一方、夜の有酸素運動は一日の疲れを取るのに適しています。ストレスを解消するセロトニンなどの物質が分泌されたり、血流の改善によって体のこりが緩和するため、心身がすっきりしてよく眠れるようになります。
室内でできる!おすすめの有酸素運動
屋外でする有酸素運動は天候や時間帯などに左右されますが、室内でできる有酸素運動なら、すき間時間に気軽にチャレンジできます。おすすめのメニューをまとめてご紹介しましょう!
足踏み
屋外でのウォーキングの代わりになるのが、室内でする足踏みです。足踏みは準備が不要ですぐに始められるので、運動が苦手な人にもぴったりです。
ただし、ダラダラ歩くのはNG。背筋を伸ばして腕を大きく振り、膝をしっかり上げながら歩きましょう。さらに負荷をかけるなら、上半身をねじったり、太ももを高く上げたりするアレンジ方法もあります。
マシンや器具を使うのもおすすめ!
本格的に運動したい人には、ウォーキングマシン・ステッパー・踏み台昇降などがおすすめです。電動のウォーキングマシンは速度を調節できるので、ランニングにも使えます。
ラジオ体操
多くの人が子供のころから慣れ親しんでいるラジオ体操も、実は立派な有酸素運動です。YouTubeでも動画を見られるので、ぜひすき間時間にやってみましょう。
ラジオ体操には第一と第二があり、第一は幅広い世代向けの軽度な運動、第二は働き盛りの世代向けの中等度の運動になっています。第一が約3分、第二が約2分半なので、両方やっても約5分半で終わります。
ポイントは指先までしっかり伸ばして動くこと。また、短時間の運動なので、物足りない場合は他の有酸素運動と組み合わせて行いましょう。
エア自転車こぎ
エア自転車こぎとは、床やマットレスの上に仰向けになり、両足を上げて空中で自転車をこぐように動かす運動のことです。
エア自転車こぎは、短い時間でもお腹痩せや脚痩せに効くのが特徴です。自転車こぎを30秒・休憩10秒を1セットとして、まずは3セット分くらいからチャレンジしてみましょう。
長時間やりたい人はエアロバイクが◎
自転車こぎをもっと長い時間やりたいという人には、エアロバイクがおすすめです。エアロバイクは負荷のかけ方を調節できるので、普通の自転車よりも運動量を増やすことも可能です。
ピラティス
ピラティスは胸式呼吸をしながら体をじっくり動かすエクササイズです。インナーマッスルの強化や姿勢の改善などに効果があり、ゆったりした動きがストレス解消やリラックス効果にも役立ちます。
ピラティスは正しいポーズを取ることが重要なので、初心者はトレーナーの指導を受けながら行うとよいでしょう。スポーツジムでは、専用のマシンを使ったマシンピラティスのレッスンも受けられます。マシンピラティスはマシンが体を支えてくれるので、初心者でもポーズを取りやすいのがメリットです。
エアロビクス
音楽に合わせて全身を動かすエアロビクスは、ダンスの要素が多く、楽しみながらできる有酸素運動です。体を大きく動かすほど運動量が増すので、意識して手足をしっかり動かしましょう。
エアロビクスのステップは何種類もあり、プログラムによって難易度が違います。あまり難易度が高すぎると体に負荷がかかってしまうため、慣れないうちは無理をせず、簡単なプログラムからチャレンジするとよいでしょう。
まとめ
有酸素運動は体への負担が少なく、日常生活に取り入れやすいところが大きな魅力です。こつこつ続けていれば必ず効果を実感できるので、体重の増加や運動不足が気になる人はぜひ始めてみてくださいね!