アメリカを中心に世界規模で親しまれているトレーニング「クロスフィット」。日本ではまだあまりなじみがなく、クロスフィットが何か知らない人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、クロスフィットについて詳しくご紹介します!
- クロスフィットがどんなトレーニングか知りたい
- クロスフィットの効果が気になる
- クロスフィットのメニューを知りたい
- クロスフィットを習ってみたい
このような方向けにわかりやすく解説をしています。
ぜひご覧ください!
パーソナルトレーニングジムマニアとしてフィトレ編集部のコンテンツ制作に携わる。体型維持とダイエットのため普段からランニング・有酸素運動・HIIT・筋トレを行う。1ユーザー目線を大切にした情報発信を心掛けてフィトレを運営。
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クロスフィットって何?
日常生活で行う様々な動きをベースにしたトレーニングのこと!
クロスフィットは「歩く・走る・起き上がる・押す・引く」など、日常生活の中で繰り返し行う動きをベースに、全身をバランスよく鍛えるトレーニングです。
2000年にアメリカ人トレーナーのグレッグ・グラスマン氏によって考案され、フィットネスクラブ「クロスフィット」が設立されました。
クロスフィットはアスリートや一般のトレーニング愛好者などから高く評価され、瞬く間に世界中に広がりました。フィットネスクラブの数は全世界で1万軒を超え、日本国内でもそのプログラムを採用するジムが増えています。
運動が苦手な人や高齢者でもできる!
クロスフィットはシンプルな動きで構成されており、負荷を軽くすれば運動が苦手な人や高齢者でも取り組めます。その人の体力に合った段階から始められるのが、クロスフィットの魅力の一つなのです。
クロスフィットのトレーニング内容はこれ!
クロスフィットは「ジムナスティック・ウェイトリフティング・カーディオ」という3種類のトレーニングで構成されています。その内容を詳しくご紹介しましょう!
ジムナスティック
ジムナスティックは「体操」という意味の言葉で、クロスフィットでは自重トレーニングを行います。
自重トレーニングとは?
自分の体重を負荷にして行うトレーニング。自宅でも手軽にできるのがメリット。
ジムナスティックには、腕立て・スクワット・腹筋・倒立など、様々な種類のメニューがあります。筋力の向上はもちろん、柔軟性を高める効果もあり、体の可動域が広がって日常の動作が楽になるのがメリットです。
ジムナスティックには鉄棒や吊り輪などを使うメニューもありますが、設備を必要としないメニューであれば、自宅でのセルフトレーニングにも役立ちます。
ウェイトリフティング
ウェイトリフティングは、ダンベル・バーベル・ケトルベルなどを使って行うトレーニングです。瞬発的に強めの負荷を体にかけることで、筋肉を強化させる効果があります。
ウェイトリフティングは正しいフォームで行うことが非常に重要です。経験がない場合は初心者向けのレッスンから始めて、徐々に重量を上げていきましょう。
カーディオ
カーディオは「心臓」を意味する言葉で、トレーニング用語では心肺機能を高める有酸素運動を指します。
クロスフィットではカーディオのメニューとして、トレッドミル(ランニングマシン)・バイク・ローイングマシン(ボート漕ぎマシン)など、様々なマシンを使用します。どのマシンも負荷を自由に変えられるので、誰でも無理なく取り組めます。
有酸素運動は負荷が軽く、長時間できるのが特徴です。また、じっくり体を動かす過程で脂肪を燃焼するため、ダイエットに適しています。
クロスフィットと筋トレの違いは?
筋トレ
特定の筋肉を鍛えるトレーニング。無酸素運動。
クロスフィット
筋トレ・有酸素運動・自重トレーニングを組み合わせたプログラム。全身の機能性が高まる。
筋トレはダンベルやバーベルなどを使って特定の筋肉を鍛えるトレーニングです。エネルギーとして利用するのは筋肉に蓄えられたグリコーゲン(糖)で、酸素を利用しないことから無酸素運動に分類されます。
一方、クロスフィットはジムナスティック(自重トレーニング)・ウェイトリフティング(筋トレ)・カーディオ(有酸素運動)の3種類のトレーニングで構成されています。
ウェイトリフティングを行う点は一般的な筋トレと同じですが、自重トレーニングで柔軟性を高めたり、有酸素運動で脂肪を燃焼したりする点が大きく異なります。
つまり、総合的な体力が備わるということ!
クロスフィットはただ筋肉が鍛えられるだけでなく、持久力・バランス力・基礎代謝量なども向上します。筋トレだけをするよりも、高い身体能力を身につけることができるのです。
クロスフィットの効果やメリット!
クロスフィットは様々なメニューで構成されたプログラムなので、心身にもあらゆる効果をもたらします。詳しく解説していきましょう!
筋力がアップする
クロスフィットは日常の様々な動きをベースにしているので、全身の筋肉がバランスよく鍛えられます。また、表層にあるアウターマッスルだけでなく、深部にあるインナーマッスルもしっかり鍛えられるのがメリットです。
インナーマッスルとアウターマッスルの違いは?
インナーマッスル
体の深部にあり、関節や内臓などを支えている筋肉。鍛えると背骨や骨盤を真っ直ぐ支えられるようになり、猫背・肩こり・腰痛などが改善される。
アウターマッスル
皮膚のすぐ下にある筋肉で、力を入れる時に役立つ。鍛えると見た目にもはっきりと体が引き締まり、重い物を楽に持てるようになったりする。
柔軟性やバランス力が高まる
全身の筋肉をまんべんなく動かすと、筋肉がストレッチされて柔軟性が高まります。すると、体の可動域が広がり、日常の動作がスムーズになります。
また、トレーニングによって筋肉が引き締まると、体の安定性も良くなります。いろいろな動き方をしてもバランスを保てるようになるため、ケガの防止に役立ちます。
脂肪が燃焼される
クロスフィットで行うカーディオは有酸素運動で、脂肪を燃焼する効果があります。
有酸素運動とは?
ウォーキングやランニングなど、長時間続けられる軽い負荷の運動。筋肉に蓄えられたグリコーゲン(糖)をエネルギーとして使い切った後、酸素を利用しながら脂肪を燃焼させる。
クロスフィットのカーディオは、トレッドミル(ランニングマシン)・バイク・ローイングマシン(手漕ぎマシン)などを使うトレーニングです。負荷が軽めで脂肪を燃焼する効果があるため、ダイエットに最適です。
疲れにくくなる
運動不足で筋肉がこわばると、血流が悪くなって疲れが溜まりやすくなります。また、筋力がないと体を支える力も足りないため、少し動くだけで疲れてしまうことがあります。
クロスフィットには、このような疲れやすい体質を改善する効果があります。運動によって血流が良くなり、体を支える筋力もつくからです。
疲れが溜まっている時は、横になるよりも体を動かす方が楽になります。そんな時にぴったりなのが、体力に合わせてトレーニングできるクロスフィットです。
ストレス解消になる
定期的な運動は精神面にも良い影響を及ぼします。汗をかいたり、無心でトレーニングに集中することで、ストレスが発散されるからです。
また、ボディラインが引き締まったり、疲れにくい体になると、明るく前向きな気持ちになれます。物事をポジティブに考えられるようになるので、ストレスを溜めにくくなるという良いサイクルが生まれるのです。
クロスフィットの基本のやり方
Warm Up
トレーニングを始める前の準備運動。筋肉をほぐして体を温める。
WOD(Workout Of the Day)
日替りのワークアウトメニュー。組み合わせ方は自由。
クロスフィットは準備運動の「Warm Up」と、日替りのワークアウトメニュー「WOD(Workout Of the Day) 」の2部で構成されます。メニューの種類は非常に多く、組み合わせ方も無限にあります。
また、ワークアウトのこなし方にもいくつかのスタイルがあります。主なやり方は以下の3つです。
AMRAP(As Many Rounds/Reps As Possible)
決められた時間内にできるだけ多くの回数をこなす。
EMOM(Every Minutes On the Minutes)
1分間に決められたメニューをできるだけこなす。
FOR TIME
決められたメニューをできるだけ早くこなす。
初心者におすすめなのは、決められた時間内にメニューをこなす「AMRAP」です。例えば「1つのメニューを30秒こなしたら、20秒休む」など、短時間の運動と休息を繰り返しながら、無理のない範囲で行うとよいでしょう。
【クロスフィットのメニュー例】初心者向きはコレ!
クロスフィットのメニューにはたくさんの種類があり、組み合わせ方もプログラムによって様々です。ここでは、初心者でも取り組みやすい5つのメニューをご紹介しましょう。
ランジ
- 両足を肩幅に開いて立つ。
- 片足を大きく前に踏み出し、太ももが床と並行になるくらいまでひざを曲げる。
- 元の状態に戻る。
- 1~3を左右交互に繰り返す。
ランジは太ももやお尻を鍛えるトレーニングで、下半身の引き締めや美脚などに効果があります。ポイントは背筋を真っ直ぐ伸ばしたまま行うこと。フォームが崩れると違うところに負担がかかってしまうので注意しましょう。
バーピージャンプ
- 立った状態からしゃがみ、両手を床につける。
- 両足を後ろに向かって伸ばし、腕立て伏せの体勢になる。
- つま先が床についたら、両足を揃えたまましゃがむ体勢に戻る。
- しゃがんだ状態から両手を真っ直ぐ上に伸ばし、ジャンプする。
- 1~4を繰り返す。
バーピージャンプは「しゃがむ・腕立て伏せの体勢になる・しゃがむ・ジャンプする」という動きをリズミカルに繰り返すメニューです。胸・太もも・お尻の筋肉を鍛える動きで、回数をこなすことで有酸素運動になります。
プルアップ
- 肩幅より広く両手を開き、鉄棒にぶら下がる。
- 腕の力だけで体を引き上げ、バーの上にあごを出す。
- ゆっくり元の状態に戻る。
- 1~3を繰り返す。
プルアップは鉄棒を使った懸垂です。腕の力だけで全身を垂直に持ち上げるので、腕・背中・肩・胸など、上半身がまんべんなく鍛えられます。
プルアップはシンプルなトレーニングですが、かなりの筋力を必要とします。体を持ち上げることが難しい場合は、まず鉄棒にぶら下がった状態を維持する練習から始めてみましょう。
ダンベルクリーン
- 両手にダンベルを持ち、足は肩幅よりやや広くして立つ。
- ひざを曲げてダンベルを床すれすれまで下ろす。
- ひざで反動をつけながらダンベルを肩の上まで持ち上げる。
- 2~3を繰り返す。
クリーンはウェイトを肩の上まで持ち上げるトレーニングです。初心者には軽い負荷から始められるダンベルを使ったクリーンがおすすめです。ダンベルが重い場合は、水を入れたペットボトルなどでも代用できます。
ポイントはダンベルを持ち上げた時に、ひざを軽く曲げて重みを分散させること。ひざにかかる負担が軽減されます。
ローイング
- ローイングマシンに座り、ペダルに足を固定してハンドルを握る。
- 足の力で椅子を後方にスライドさせながら、ハンドルを引く。
- 足が伸びきる手前で上半身を軽く反らせる。
- ハンドルをみぞおちのあたりまで引く。
- ひざを曲げて元の位置に戻る。
- 2~4を繰り返す。
ローイングマシンはボートを漕ぐような動きで操作するマシンです。足の踏み込みやハンドルの引きなどで全身の筋肉が鍛えられ、有酸素運動になるので脂肪も燃焼されます。
ローイングは正しいフォームで行わないとトレーニング効果が上がりません。そのため、慣れるまではトレーナーに動きをチェックしてもらうことがおすすめです。
クロスフィットはどれくらいの頻度でやるべき?
1回60分のトレーニングを週2~3回するのがおすすめ!
クロスフィットは「3日トレーニングして1日休む」というサイクルが良いとされています。しかし、初心者は体がまだ慣れていないため、まずは週2~3回くらいから始めるのがおすすめです。
ジムのプログラムは1回60分程度のトレーニングが一般的です。長時間やればやるほどいいというわけではないので、無理をしないよう注意しましょう。
筋肉を適度に休ませることが大切!
トレーニングは毎日するのではなく、休息をとることが大切です。その理由は「筋肉を効率よく成長させるため」です。
筋肉を休ませると成長するのはなぜ?
筋トレをすると筋繊維が一時的に破壊され、回復するまでに48~72時間くらいかかります。この回復過程で筋繊維はさらに強化され、大きく成長するのです。
クロスフィットはどこでできる?
クロスフィットトレーナーが在籍するジムでできる!
クロスフィットはトレーニングプログラムであると同時に、アメリカに本部を持つフィットネスクラブでもあります。そのため、クロスフィットを指導するには資格を取得している必要があります。
日本のジムでクロスフィットを教えているトレーナーは、全員トレーナーの資格を持っています。クロスフィットを習いたい場合は、クロスフィットトレーナーが在籍するジムを探してみましょう!
クロスフィットは自宅でもできる?
自宅でもできるが、メニューの種類が限られる
クロスフィットのメニューは非常に豊富なので、自宅でできるメニューもいろいろあります。セルフトレーニングにおすすめなのは、道具を必要としない「ジムナスティック(自重トレーニング)」のメニューです。
一方、クロスフィットでは、鉄棒・吊り輪・バーベル・ランニングマシン・ローイングマシンなど、様々な設備を必要とするメニューもたくさんあります。これらのメニューなしでクロスフィットの効果を得るのは難しいため、やはり基本はジムでトレーニングするのが一番だと言えるでしょう。
クロスフィットの大会もある!
クロスフィットは単なるトレーニングだけではなく、記録を競う競技としても人気があります。大会は日本国内でも開催されており、予選を通過すれば誰でも参加可能です。トレーニングのモチベーションを上げるために、大会出場を目標にするのもいいですね!
クロスフィット選手をお手本にしてみよう!
国内にも海外にも、クロスフィットの大会で優秀な成績を収めている選手が大勢います。SNSでトレーニングの様子を発信している選手もいるので、ぜひ参考にしてみましょう。
まとめ
日本ではまだ知らない人も多いクロスフィットですが、その効果や取り組みやすさは幅広い年代に適しています。ダイエットにも筋トレにもなる万能のトレーニングなので、興味がある方はぜひ最寄りのジムを探してみてくださいね!
参考文献