一流アスリートもメニューに取り入れている「体幹トレーニング」。でも、そもそも体幹とは何なのか、どんなトレーニング効果があるのかなど、知らないことも多いですよね。
そこでこの記事では、体幹トレーニングについて詳しくご紹介します!
- 体幹トレーニングとは何か知りたい
- 体幹トレーニングの効果が気になる
- 筋トレとの違いが分からない
- おすすめの体幹トレーニングをやってみたい
このような方向けにわかりやすく解説をしています。
ぜひご覧ください!
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体幹とは何か?
体の主軸となる「胴体」のこと。お腹・胸・背中・お尻・肩などのすべてを指す。
体幹とは、頭や手足を支えている胴体の部分を指します。お腹・胸・背中・お尻・肩など、胴体を構成するパーツはすべて体幹です。
体幹は体を機能的に動かすための重要な主軸であり、体幹の筋肉が弱いと体全体にしなやかさが生まれません。例えば、いくら腕や脚の筋肉を鍛えていても、体幹がしっかりしていなければ、高いパフォーマンスを発揮することができないのです。
具体的にどこの筋肉のこと?インナーマッスルとアウターマッスルの違い
インナーマッスルもアウターマッスルも「体幹筋」と言う!
体幹と聞くとインナーマッスルを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、それだけではありません。体の表層部にあるアウターマッスルも、体幹を支える大切な筋肉です。
インナーマッスルとアウターマッスルの違い
インナーマッスル
体の深層部にある筋肉。外側からは動きや強度などが分かりにくい。
アウターマッスル
体の表層部にある筋肉。鍛えると見た目にも筋肉がついていることが分かる。
体幹にある筋肉は、インナーマッスルもアウターマッスルも「体幹筋」と呼びます。体幹トレーニングは、この両方の筋肉をバランスよく鍛えることが理想的とされるのです。
体幹トレーニングと筋トレの違い!
体幹トレーニング
胴体部分の筋肉を鍛えるトレーニング。インナーマッスルの強化も重視する。
筋トレ
胴体部分に限らず、各パーツの筋肉の強化や肥大を目的とするトレーニング。アウターマッスルを重視することが多い。
体幹トレーニングと筋トレの主な違いは、鍛える部位です。体幹トレーニングは体幹を鍛えるためのトレーニングなので、胴体部分だけを集中して鍛えます。一方、筋トレは体幹に限らず、腕や脚などのトレーニングも含みます。
また、体幹トレーニングはインナーマッスルの強化も重視します。インナーマッスルのトレーニングは体幹の安定力を高めるためのもので、一般的な筋トレのようにアウターマッスルがムキムキになるというわけではありません。
どちらがおすすめ?
体幹トレーニングがおすすめなのは?
あまりムキムキになりたくない人。腰痛や猫背などを改善したい人。
筋トレがおすすめなのは?
筋肉を大きくしたい人。腕や脚に筋肉をつけたい人。
体幹トレーニングの5つの効果!女性にうれしいメリットも
体幹を鍛えると体が引き締まるだけでなく、いろいろな健康効果もあります。どんな変化が起こるのか、一つ一つ見ていきましょう!
姿勢が良くなる
体幹トレーニングはお腹・背中・お尻など、背骨や骨盤を支える様々な筋肉を鍛えます。そのため、背骨のS字カーブをきれいに維持したり、骨盤を正しい位置で支えられるようになり、自然と姿勢が良くなります。
また、猫背が改善されるとバストが上向きになり、骨盤の矯正効果でぽっこりお腹が引っ込んでヒップアップにつながります。体型の変化に悩む女性にとっても、うれしい効果がたくさん表れるのです。
肩こりや腰痛が緩和される
体幹トレーニングによって姿勢が良くなると、肩や腰にかかる負担が減ります。
猫背の人は背中が丸くなっているため、首が前傾して肩に負担がかかったり、骨盤が傾いて腰に負担がかかったりしています。そして、これが肩こりや腰痛の一因になっています。
体幹を鍛えるときれいな姿勢を維持できるようになるので、肩や腰に余計な負担がかからなくなります。また、運動によって血流も良くなるため、コリがほぐれて痛みも和らぐのです。
お腹周りがすっきりする
体幹の筋肉が鍛えられると、筋肉量が増えて代謝が良くなります。すると、脂肪を燃焼しやすい体質になり、お腹周りがすっきりします。
また、ぽっこりお腹は脂肪のせいばかりではなく、骨盤のゆがみが原因の場合もあります。
骨盤がゆがむとなぜお腹が出る?
骨盤が前に傾いていると?
腰が反るので、お腹が突き出る姿勢になる。
骨盤が後ろに傾いていると?
猫背になるので、下腹だけが突き出る姿勢になる。
骨盤は前傾していても後傾していても、ぽっこりお腹の原因になります。体幹を鍛えれば骨盤がまっすぐになるので、体重が減っていなくてもお腹周りが痩せたように見えます。
体を動かしやすくなる
体幹に筋肉がつくと安定感が生まれるため、手足を動かした時に体がぶれにくくなります。そのため、スポーツをする時はもちろん、日常生活でもちょっとした動作が楽にできるようになります。
また、姿勢が良くなって肩こりや腰痛などが緩和することも、体の可動域が広がる効果を生みます。筋肉のこわばりがほぐれてスムーズに動けるようになるので、体が軽く感じられるのです。
疲れにくくなる
体幹トレーニングで鍛えるインナーマッスルは、良い姿勢を維持したり、関節を支えたりする持久力を持っています。そのため、体幹が鍛えられると疲れにくくなり、より活動的になれます。
一方、筋トレは主にアウターマッスルを鍛えるトレーニングで、見た目にも筋肉が肥大し、いかにも強そうに見えます。しかし、実はアウターマッスルには持久力があまりないという欠点があるのです。
長く動ける力で比較すれば、筋トレよりも体幹トレーニングに励んだ方が効果が得やすいと言えます。
体力がない人やシニア世代にもおすすめ!
体幹トレーニングには負荷が少ないメニューもいろいろあるので、体力がない人やシニア世代の人でも無理なくチャレンジできます。活動量の低下を防ぐためにおすすめのトレーニングです。
【体幹トレーニングの種類】おすすめの5つはこれ!
体幹トレーニングには様々な種類がありますが、初心者でも取り組みやすいのは上記のようなメニューです。詳しくご紹介していきましょう!
プランク
Marina Takewakiさんの動画が参考になります!
- うつ伏せになり、両ひじを90度に曲げて床につける。
- つま先を床につけて腰を浮かせ、両ひじ・前腕・つま先だけで体重を支える。
- 頭から足先まで一直線になるようにキープする。
体幹トレーニングの中でも特によく知られているプランク。「plank=厚板」という名前が示す通り、体を板のようにまっすぐにキープするトレーニングで、腹筋・背筋・脚などの広範囲を鍛えます。
プランクはポーズをキープする時間によって体への負荷を調節できるため、初心者にもおすすめのトレーニングです。最初は20秒くらいから始めて、慣れてきたら徐々に時間を伸ばしていきましょう。
ここがポイント!
・腰が反らないように注意!
お尻が下がると腰が反り、腰を痛めてしまう恐れがあります。腰が反らないように、体を一直線にすることを心がけましょう。
・膝をついたり、ひじを伸ばしてもOK!
体を支えるのが難しい場合は、膝をついたり、ひじを伸ばして腕立て伏せのポーズをとると少し楽になります。無理のない範囲で続けましょう。
クランチ
前田のまいにちセルフケア ! by GronGさんの動画が参考になります!
- 仰向けになり、両ひざを90度に曲げて肩幅くらいに開く。
- 両手を首の後ろで組み、肩甲骨が床から離れるくらいまで上体を起こす。
- おへそを覗き込むようにして静止したら、上体を床に下ろす。
- 同じ動きを10~15回繰り返す。
クランチはいわゆる腹筋運動で、腹直筋(シックスパック)を鍛える効果があります。上記のやり方は「ノーマルクランチ」と呼ばれる基本のクランチで、初心者におすすめのトレーニングです。
腹筋運動には上体を完全に起こす「シットアップ」というトレーニングもありますが、クランチは肩甲骨あたりまでを起こすのが特徴です。シットアップよりも腰への負担が少なく、腰を痛めるリスクが軽減されます。
ここがポイント!
・呼吸を利用して効果を高める
おへそを覗き込んで静止する際に、息を吐いて腹筋を意識しましょう。インナーマッスルにもしっかり働きかけることがポイントです。
・あごを引いてゆっくり動く
首や肩を痛めないよう、あごを引いて行いましょう。また、勢いをつけて上体を起こすのではなく、一つ一つの動きをゆっくり行うと腹筋にしっかり力が入ります。
ドローイン
Konami Sports Clubさんの動画が参考になります!
- 仰向けになり、両ひざを90度に曲げる。
- お尻の穴を引き締め、骨盤の内側に手をあてる。
- 鼻から息を吸ってお腹をふくらませる。
- 口から息を吐きながら、手を添えた部分の筋肉をへこませる。
- お腹をへこませた状態を5~10秒くらいキープする。
- 3~5を繰り返す。
ドローインは呼吸法を利用した体幹トレーニングで、主にインナーマッスルを鍛えます。寝ながらできるので、布団の中で行うのもおすすめです。また、座ったままや立ったままで行う方法もあります。日常生活に取り入れて、こまめに続けてみましょう。
ここがポイント!
・1日5分くらいでOK!
ドローインは毎日5分くらい行えば十分です。やりすぎると腰に負担がかかることがあるので注意しましょう。
・慣れてきたらレベルアップにトライ
お腹を上手にへこませられるようになったら、その状態をキープしながら浅い呼吸を何回か繰り返してみましょう。腹筋に力を入れる時間が長くなるので、さらにトレーニング効果が高まります。
レッグレイズ
前田のまいにちセルフケア ! by GronGさんの動画が参考になります!
- 仰向けになり、両手を体の横に置く。
- 両足を揃えて伸ばしたまま、ゆっくり持ち上げる。
- 両足が床と垂直になるくらいまで上げたら、ゆっくり下ろす。
- 両足が床に着く寸前で止め、再び両足を持ち上げる。
- 2~4を10回程度繰り返す。
レッグレイズは腹筋の力を使って足を上げ下げするトレーニングで、主に下腹やインナーマッスルに効果があります。足を上げる時は息を吐き、下腹を意識しながら上げましょう。また、勢いをつけずにゆっくり行うことで、インナーマッスルまでしっかり鍛えることができます。
ここがポイント!
・腰が反らないように注意!
足を上げる際に腰が反っていると、腰を痛める原因になります。腰が浮かないように床にしっかり押し付けて行いましょう。
・片足ずつやひざを曲げながらでもOK!
両足を揃えて上げるのが難しい場合は、片足ずつ持ち上げたり、ひざを曲げた状態で持ち上げるのもおすすめです。
プランクレッグレイズ
QOOLさんの動画が参考になります!
- プランクのポーズをとる。
- 片足ずつ上に持ち上げる。
- 左右交互に10回ずつ行う。
プランクレッグレイズはその名の通り、プランクとレッグレイズを組み合わせた体幹トレーニングです。片足ずつ上に持ち上げることで、腹筋や背筋の他にお尻や太ももなども鍛える効果があります。
プランクレッグレイズは、プランクに慣れてきた頃におすすめのメニューです。プランクだけでは物足りなくなってきたら、負荷を上げるためにチャレンジしてみましょう。
ここがポイント!
・体をまっすぐにキープする
お尻が下がると腰が反り、腰に負担がかかってしまいます。体をまっすぐに保ちながら、ゆっくり行いましょう。
・ひざが曲がらないように注意!
足を上げる時にひざが曲がっていると、目的とする筋肉にきちんとアプローチできません。足をまっすぐ伸ばした状態で上げ下げしましょう。
体幹トレーニングは意味がない?その原因と対策
原因① 正しいフォームでできていない
原因② 効果が表れるまで続けていない
体幹トレーニングにチャレンジした人の中には、「体型が変化しない」、「腰痛になってしまった」など、効果を実感できずにやめてしまう人もいます。
しかし、それは体幹トレーニングに意味がないからではなく、正しくできていないことが原因だと考えられます。ここでは、よくある原因とその対策についてご紹介しましょう。
原因① 正しいフォームでできていない
ポイントのおさらいを。ジムで指導を受けるのもおすすめ!
胴体には様々なインナーマッスルやアウターマッスルがあり、体幹トレーニングのメニューは特定の筋肉をピンポイントで鍛えるために考案されています。そのため、正しいフォームで行うことが非常に重要です。
効果が感じられない、あるいは筋肉や関節を痛めてしまったという場合は、フォームのポイントをもう一度確認してみましょう。正しいフォームでできていないことが原因になっているかもしれません。
プロのトレーナーに見てもらうと安心!
正しいフォームを身につけるには、ジムに通うのが一番の近道です。筋肉の仕組みに精通したプロのトレーナーから指導を受ければ、自分の体に最適なメニューも分かります。
原因② 効果が表れるまで続けていない
体が変化し始めるのは2~3ヶ月後くらい。こつこつ続けよう!
体幹トレーニングの効果がはっきり表れ始めるのは、平均で2~3ヶ月後くらいです。そのため、「効果が感じられない」と思ってやめてしまう人の中には、トレーニング期間が足りていない人も多いのです。
しかし、体幹トレーニングをこつこつ続けていれば、体が引き締まるよりも前にいろいろな変化が表れます。「姿勢が良くなってきた・肩こりや腰痛が和らいできた・疲れにくくなった」といった変化は、トレーニングのおかげです。ちゃんと効果が表れ始めているので、頑張って続けましょう!
「体重」ではなく「体型」に注目!
体幹トレーニングは筋肉を引き締めるための運動なので、必ずしも体重が減るとは限りません。しっかり効果が表れれば、体重が同じでも体型がすっきりするので、体重の減り方は気にし過ぎないようにしましょう。
体幹トレーニングは毎日してもいいの?
毎日でOK!理由は筋肉の回復が速いから。
一般的な筋トレは週2~3回を目安に行うのが最適とされています。その理由は、筋トレによって一時的に破壊された筋組織が、48~72時間かけて回復しながら強さを増すから。しかし、体幹トレーニングの場合は、24時間程度で筋肉が回復すると言われています。
体幹トレーニングは筋肉に対する負荷が軽いため、ウェイトトレーニングなどに比べると筋肉の回復が速いのが特徴です。また、インナーマッスルは持久力が高く、深層部にあるのでトレーニングによるダメージを受けにくいことも理由の一つです。
そのため、体幹トレーニングは毎日行っても問題ありません。1日5分程度でも、毎日続けていれば必ず効果が表れます。
まとめ
体幹トレーニングは特別な道具がいらず、運動が苦手な人でもチャレンジしやすいおすすめの運動です。お腹周りが引き締まるのはもちろん、猫背の改善、肩こりや腰痛の緩和など、体にうれしい効果がたくさんあるので、ぜひ簡単なメニューから始めてみてくださいね!