短時間で高い運動効果を得られるトレーニング「HIIT」。なんとなく聞いたことはあっても、どういうトレーニングか分からない人は多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、HIITについて詳しくご紹介します!
- HIITがどんなトレーニングなのか知りたい
- HIITのダイエット効果が気になる
- HIITと有酸素運動はどっちがいいか知りたい
- HIIの初心者向けメニューをやってみたい
このような方向けにわかりやすく解説をしています。
ぜひご覧ください!
パーソナルトレーニングジムマニアとしてフィトレ編集部のコンテンツ制作に携わる。体型維持とダイエットのため普段からランニング・有酸素運動・HIIT・筋トレを行う。1ユーザー目線を大切にした情報発信を心掛けてフィトレを運営。
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HIITとは?読み方や意味について
ヒットまたはヒートと読む。高強度インターバルトレーニングのこと!
「HIIT」は「High Intensity Interval Training」というトレーニング方法の頭文字をとった言葉で、ヒットまたはヒートと読みます。日本語に直訳すると「高強度インターバルトレーニング」という意味です。
高強度インターバルトレーニングとは?
短時間の高強度の運動と休憩を繰り返すトレーニング方法。筋力を最大限に使って効率的にトレーニング効果を引き出す。
HIITは短時間に集中して高強度のメニューをこなすトレーニングなので、運動に長い時間を費やす必要がないのがメリットです。まさに忙しい現代人にぴったりの運動だと言えます。
HIITはどういうトレーニングをするの?
20~30秒の運動と10~15秒の休息を繰り返すだけ!
HIITは非常に短い時間の運動と休息を交互に繰り返すトレーニングです。メニューの選び方は自由で、運動時間も合計4~30分と具体的な決まりはありません。
HIITの代名詞とも言えるのが、立命館大学の田畑泉教授が考案した「タバタ式トレーニング」です。ここでは、このタバタ式トレーニングについてご紹介しましょう。
- 20秒の運動と10秒の休息を1セットとして、合計8セット行う。
- 体力を使い切るような激しい運動なら何でもOK!
- 準備運動とクールダウンのストレッチを必ず行う。
タバタ式トレーニングのルールはとてもシンプルです。8セットの運動はわずか4分で終了。メニューの指定もないため、個人の体力に合うメニューを自由に選べます。
HIITにはどんな効果やメリットがある?
HIITには独自のトレーニングスタイルならではの効果がいろいろあります。詳しく見ていきましょう!
アフターバーン効果が生まれる
アフターバーンとは、運動を終えた後もエネルギーを消費しやすい状態が続くことを指します。
HIITのような高強度のトレーニングをすると、体はたくさんの酸素を取り込んだり、傷ついた筋繊維を回復させようとします。この時に代謝が活発になり、いつもよりエネルギー消費量が増えるのです。
HIITを定期的に行うと、代謝が高い状態を維持できるようになります。その結果、脂肪が燃焼されやすくなり、ダイエットにも役立つのです。
持久力がつく
体力の限界までトレーニングすると、息が上がって必然的にたくさんの酸素が肺に送り込まれます。そして、その大量の酸素を全身に行き渡らせるために、心臓も活発に働きます。
心肺機能が高まると、体は徐々に高強度の運動に対応できるようになり、持久力がつきます。すると、日常生活においても疲れにくい丈夫な体に変化するのです。
血圧が高い人はご注意を!
HIITは強度の高いトレーニングなので、血圧がかなり上昇します。高血圧の方は主治医に相談してから行うようにしましょう。
筋肉量が落ちるのを防ぐ
脂肪を燃焼するのに有効なのは、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動です。しかし、これらの負荷が軽い運動は脂肪だけでなく、筋肉量も減少させてしまうことがあります。
筋肉が減ってしまうのはなぜ?
運動をすると、まず筋肉に蓄えられたグリコーゲン(糖)をエネルギーとして消費し、グリコーゲンを使い切ると脂肪を燃焼してエネルギーにします。そして、さらに長時間運動すると、筋肉のたんぱく質を分解して消費するため、筋肉量が減ってしまうのです。
有酸素運動は負荷が軽いので、長時間できるのがメリットです。しかし、体に十分な栄養を蓄えない状態で行うと、筋肉のたんぱく質までエネルギーとして消費してしまいます。
一方、HIITは短時間の運動なので、脂肪の燃焼は高まりますが、たんぱく質が分解される心配はありません。そのため、「脂肪を落としつつ筋肉は維持したい」という人にぴったりのトレーニングなのです。
トレーニング時間を節約できる
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動の場合、脂肪の燃焼が高まるまでに20分以上かかります。一方、HIITは4分行うだけでも効果があるため、時間をかなり節約できます。
また、自重トレーニングを中心に行えば、道具を用意する必要もありません。ウォームアップを済ませたらすぐ始められるので、忙しい人でも無理なく続けられます。
HITTは効果が出るまでどれくらいかかる?
早ければ2週間から1ヶ月くらいで体が変化する!
HIITによって体に変化が表れ始めるのは、早ければ2週間から1ヶ月くらいです。一般的な有酸素運動や筋トレは2~3ヶ月くらいかかるので、HIITは様々なトレーニングの中でもかなり早い方だと言えるでしょう。
ただし、効果の表れ方には個人差があります。特に生活習慣が乱れている人は変化を感じにくい場合があるので、規則正しい生活を心がけることも大切です。
HIITの消費カロリーはどれくらい?
1回のHIITで約100~400kcalくらい。さらにアフターバーン効果もある!
消費カロリーは体重や運動量などによって異なりますが、HIITは約100~400kcalを消費すると言われています。ジョギングの消費カロリーは30分で約200kcalなので、運動時間で比較するとHIITの方が確実にタイムパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
また、HIITの場合は運動後も脂肪燃焼効果が続くアフターバーン効果を発揮します。アフターバーンの消費カロリーにも個人差がありますが、仮にジョギングの方が運動時の消費カロリーが多いとしても、アフターバーンによってHIITの方が多くのカロリーを消費する可能性が高いのです。
HIITと有酸素運動はどっちが痩せる?
体脂肪を減らすだけなら有酸素運動、体を引き締めたいならHIITがおすすめ!
HIITにも有酸素運動にも脂肪を燃焼させる効果がありますが、ある実験では「週3回のHIITよりも、週5回の有酸素運動の方が体脂肪が減少する」という結果が出ています。
ただし、十分な栄養を摂らないまま有酸素運動を長時間行うと、筋肉のたんぱく質まで分解してしまうことがあります。これは運動のエネルギー源になる栄養が体に不足しているからです。
有酸素運動は体脂肪を減らす効果は高いものの、筋肉を成長させる効果はあまりありません。そのため、引き締まった健康的な体を目指すなら、短時間で脂肪を燃やせるHIITの方がおすすめです。
初心者におすすめのHIITメニュー5選
上記のメニューは運動が苦手な人でもチャレンジしやすいおすすめのメニューです。組み合わせ方や運動時間は自由なので、できる範囲から始めてみましょう!
スクワット
- 両足を肩幅よりやや広く開き、つま先を少し外側に向ける。
- 手をクロスして胸にあて、お尻を突き出すようにしながら腰を落とす。
- 太ももと床が平行になるくらいまでひざを曲げたら、ゆっくり元に戻る。
スクワットは筋トレの代表的なメニューの一つで、HIITでも多くの人が取り入れています。ポイントは背中が丸まらないようにすること。真っ直ぐ前を向いて行いましょう。
いろいろなスクワットにチャレンジ!
スクワットはいろいろなアレンジができるのも魅力です。足を大きく開くワイドスクワット、腰を落とす時に両手を上げるバンザイスクワットなど、いろいろなスクワットを試してみましょう。
バーピージャンプ
- 両足を肩幅に開いて立った状態から、しゃがんで両手を前につく。
- 両足を揃えたまま後方へ伸ばし、腕立て伏せの姿勢になる。
- つま先が床についたら、弾みをつけながらしゃがんだ状態に戻る。
- 両手を上げて垂直にジャンプする。
バーピージャンプは「しゃがむ・腕立て伏せの姿勢になる・しゃがむ・ジャンプする」という動きをリズミカルに繰り返すトレーニングです。
難しい時は片足ずつでもOK!
両足を揃えたまま動くのが難しい場合は、片足ずつでもOK!背中が丸まらないように注意しながら、一つ一つの動きを正確に行いましょう。
ニートゥエルボー
- 両足を肩幅くらいに開き、頭の後ろで両手を組む。
- 左足のひざをおへそより上まで持ち上げ、右手のひじと近づける。
- 元の姿勢に戻る。
- 右足のひざと左手のひじを同様に近づける。
ニートゥーエルボーは、左ひざと右ひじ・右ひざと左ひじを交互に近づける運動です。お腹をかがめてねじるような姿勢になるため、腹筋が鍛えられます。
ポイントはひざをしっかり持ち上げること。また、ひじを近づける時はおへそを覗き込むようにすると、より効果的です。
四つん這いや寝ながらでもできる!
ニートゥーエルボーは四つん這いや仰向けでもできます。どの姿勢の時も、ひざとひじがなるべく近づくように意識して行いましょう。
バックランジ
- 両足を軽く開いて立つ。
- 片足を後方へ伸ばしながら、両ひざを曲げて腰を落とす。
- 後ろの足のひざが床すれすれくらいになったら一旦静止する。
- 元の姿勢に戻り、反対の足も同じようにする。
バックランジはお尻や太ももなど、下半身の引き締めに効果があるトレーニングです。ポイントは前足のひざがつま先より前に出ないようにすること。ひざを痛める原因になるので、慎重に行いましょう。
壁につかまりながらでもOK!
体がフラつく場合は、壁につかまりながらやると安定します。筋力がつくとフラつきに耐えられるようになるので、つかまらずにやれるようになるまで頑張りましょう。
ジャンピングジャック
- 両足を肩幅よりやや広く開いて立つ。
- ジャンプしながら両足を広げ、両手を上げる。
- 次のジャンプで両足を閉じ、両手を下げる。
- 2と3を繰り返す。
ジャンピングジャックは、ジャンプしながら手足を大の字にしたり閉じたりする有酸素運動です。短時間でも心拍数が増え、全身に酸素を取り込めます。
両手を頭上でタッチしてみよう!
両手を上げる時は、なるべく頭上で手のひら同士が触れるようにしてみましょう。肩甲骨の可動域が広がり、肩こりの解消にもなります。
HIITは1日何分・週何回やるべき?
1日4~30分くらい。週2回程度やれば十分!
HIITは4分行うだけでも十分な効果を期待できます。最大のポイントは「ヘトヘトになるまで運動すること」。4分間では物足りないという場合は、これ以上できないところまで続けてみましょう。
ただし、短時間で終わるからといって、1日に何回も行う必要はありません。また、筋肉はトレーニング後に休ませることで成長するため、週2回程度を目安に行うのがおすすめです。
HIITは効果がない?その原因と解決策
HIITをやっても効果が感じられないという場合は、上記のような原因が考えられます。ここでは、詳しい理由とその解決策について解説しましょう。
フォームが間違っている
まずはフォームを再確認。トレーナーに指導してもらうのもおすすめ!
トレーニングは正しい姿勢で行わなければ最大限の効果を出せません。フォームが間違っていると筋肉や関節を痛める恐れもあるので、まずは一つ一つの動きを再確認しましょう。
HIITは自宅でも行えるトレーニングですが、初心者はジムでトレーナーに指導してもらうと安心です。フォームのチェックはもちろん、痩せたい部分に効くメニューを教えてもらえるので、効率的にボディメイクできますよ。
運動の負荷が足りない
体調に合わせてトレーニングの強度を上げてみよう!
HIITは短時間で多くのカロリーを消費し、その後の脂肪燃焼効果を高めるのが主な目的です。そのため、負荷が軽いメニューをこなしているだけでは、あまり効果を実感できません。
体感としては「息が上がってヘトヘトになるくらい」がベスト。もしまだ余力があるようなら、もう少し強度の高いメニューに変えてみましょう。ただし、その日の体調に合わせて、ケガなどがないように注意してください。
食事のバランスが悪い
糖質の摂り過ぎやたんぱく質不足に注意!
HIITは効率的にカロリーを消費するトレーニングですが、だからといって無制限に好きな物ばかり食べていると、ダイエット効果が半減してしまいます。
特に注意したいのは、脂肪の元になる糖質の摂り過ぎや、筋肉の元になるたんぱく質の不足です。また、糖の吸収を抑える食物繊維も積極的に摂るようにしましょう。
効果が表れるまで続けていない
最低でも2週間~1ヶ月は続けよう!
HIITの効果が表れるのは、早くても2週間から1ヶ月くらい経ってからです。これより前にあきらめてしまった人は、継続期間が短すぎることが痩せない原因になっているかもしれません。
ただし、元々運動不足で脂肪の燃焼率が悪かったり、食事制限を全くしていなかったりする人は、効果が表れるまでにさらに時間がかかる可能性があります。体重が落ちるスピードをなるべく上げたいなら、食生活に気をつけたり、日頃からこまめに体を動かすなどの工夫をしてみましょう。
HIITをやる時の注意点は?
HIITは強度の高いトレーニングなので、注意が必要な点もあります。ここでは、特に大事な注意点について説明しましょう。
ウォーミングアップを必ず行う
何の準備もなく激しいトレーニングを始めると、ケガをする危険が高まってしまいます。HIITの前には、必ずストレッチなどのウォーミングアップをして体を温めておきましょう。
ストレッチには筋肉をほぐして体の可動域を広げる役割があります。また、トレーニング効果を最大限に引き出したり、脂肪を燃焼しやすくする効果もあるので、時間をかけてじっくり行うことがおすすめです。
持病がある場合は医師に相談する
HIITは心肺機能を向上させるメリットがありますが、すでに高血圧・心臓病・糖尿病・関節疾患などの持病がある場合は、激しい運動が逆に症状を悪化させてしまうこともあります。治療や通院をしている人は、かかりつけ医に相談してから行うようにしましょう。
まとめ
短時間で高い効果を得られるHIITは、忙しい人でも続けやすいおすすめのトレーニングです。正しいフォームや体力に見合った強度を意識しながら、ぜひチャレンジしてみてくださいね!