筋肉を伸ばし、体の柔軟性を高める「ストレッチ」。そんなストレッチに重点を置いた「ストレッチトレーニング」という運動方法があることをご存知ですか?
最近はストレッチトレーニングを指導するジムが増えており、マシンを使ったストレッチなどを体験できます。そこで今回は、ストレッチトレーニングやストレッチの効果などについて詳しくご紹介します!
- 肩こりや腰痛を改善したい
- 軽めの運動にチャレンジしたい
- 筋トレにストレッチを取り入れたい
- おすすめのストレッチが知りたい
このような方向けにわかりやすく解説をしています。
ぜひご覧ください!
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ストレッチの種類には静的・動的の2つがある!
静的ストレッチ
反動をつけずに筋肉をゆっくり伸ばすストレッチ。リラックス効果がある。
動的ストレッチ
体を動かしながら筋肉をほぐすストレッチ。運動前のウォーミングアップに最適。
ストレッチには主に「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」の2種類があります。その違いを詳しく解説しましょう。
静的ストレッチ
静的ストレッチは「スタティックストレッチ」と呼ばれるストレッチで、「static=静止した・動かない」という意味があります。その名の通り、反動をつけずに静止した状態で行うストレッチです。
太ももやひざの裏を伸ばす前屈ストレッチ、股関節を伸ばす開脚ストレッチなどは、静的ストレッチの代表的なメニューです。一定の時間同じポーズを維持することで、筋肉のこわばりをほぐしたり、血流を良くしたりする効果をもたらします。
また、静的ストレッチには副交感神経を優位にする働きがあり、深いリラックス効果も得られます。
動的ストレッチ
動的ストレッチは体を動かしながら筋肉を伸ばすストレッチで、主に「ダイナミックストレッチ」と「バリスティックストレッチ」の2種類に分かれます。
2つのストレッチの違いは?
ダイナミックストレッチ
体を動かしながら目的の筋肉を伸ばすストレッチ。腕を回して肩をほぐす、腕を上げて脇腹を伸ばすなど。
バリスティックストレッチ
反動をつけながら筋肉を伸ばすストレッチ。腕を振って肩をほぐす、片足ずつ前後へ振って股関節をほぐすなど。
腕を利用して肩の筋肉をほぐすストレッチの場合、ダイナミックストレッチは腕に力を入れて動かしますが、バリスティックストレッチは腕の力を抜いて反動で動かします。
このような動的ストレッチをいくつも組み合わせたものが、幅広い世代におなじみのラジオ体操です。静的ストレッチにはリラックス効果があるのに対し、動的ストレッチは体を活性化させる効果があります。そのため、動的ストレッチは運動前のウォーミングアップに最適です。
ストレッチってどんな意味?
英語で「伸ばす・伸びをする」という意味の言葉
「ストレッチ=stretch」は「伸ばす・伸びをする・広げる」などの意味を持つ言葉です。運動においても、筋肉を伸ばす動きがストレッチの基本になっています。
ストレッチが運動方法として広く知られるようになったのは、1970年代にアメリカのボブ・アンダーソン氏が提唱した「ストレッチング」が起源となっています。アンダーソン氏のストレッチングは、筋肉を伸ばした状態で静止する「静的ストレッチ」が主な手法とされています。
ストレッチトレーニングとは?
柔軟性の向上や不調の緩和などを目的に、集中して行うストレッチのこと!
ストレッチトレーニングとは、その名の通りストレッチを重点的に行うトレーニングです。筋肉を伸ばすことで柔軟性を高め、コリをほぐしたり、体の可動域を広げたりする効果をもたらします。
筋肉はたくさんのパーツに分かれているため、全身をバランスよくほぐすには、いろいろなストレッチを組み合わせることが大切です。どのストレッチがどの筋肉に働きかけるか理解できれば、トレーニング内容がより充実したものになります。
最近ではストレッチトレーニングを指導するジムも増えており、ジムによっていろいろな方法を提案しています。
ジムのストレッチトレーニングの主な種類
トレーナーが誘導するストレッチ
ベッドの上でトレーナーに体を支えてもらいながらするストレッチ。力まずに楽な姿勢でストレッチできる。
マシンを使うストレッチ
専用のマシンで体をサポートしながらするストレッチ。筋力に合わせて負荷を調節できる。
ジムのストレッチトレーニングには、主に上記のようなスタイルがあります。独自の手法を取り入れているジムも多く、セルフストレッチではできない筋肉の伸びを体感できるのが特徴です。
ジムのストレッチトレーニングのメリット
ジムのストレッチトレーニングには、上記のようなメリットがあります。詳しく解説しましょう!
ストレッチトレーナーが指導してくれる
ストレッチトレーニングに特化したジムの場合、ストレッチ理論を専門に学んだストレッチトレーナーに指導してもらえます。
ストレッチトレーナーとは?
各パーツの筋肉に有効なストレッチ法を熟知しているトレーナー。民間の資格がいくつかあり、国際基準の資格も存在する。
日頃感じている体の不調などについても、ストレッチトレーナーが丁寧にヒアリングしてくれます。セルフストレッチで不調が改善しない人には特におすすめです。
体が硬くてもできる
ジムのストレッチトレーニングには、トレーナーが体を支えて行うストレッチや、マシンを使うストレッチなどがあります。どちらも体を預けながらストレッチするので、体が硬い人でも楽にできるのが特徴です。
体が硬い状態で無理にストレッチすると、かえって筋肉や関節を痛める恐れがあります。一方、ジムのストレッチトレーニングは最適な負荷をかけながら行うため、心地いい伸びを感じられます。
筋トレと組み合わせられる
ストレッチと筋トレの両方を指導しているジムなら、筋トレとセットでレッスンを受けることも可能です。
筋トレ前のストレッチは体の可動域を広げ、筋トレ後のストレッチは疲労の軽減に役立ちます。ストレッチによって筋トレの効果が上がるため、痩せたい人にも筋肉を大きくしたい人にもおすすめです。
ストレッチと筋トレの違い
ストレッチ
筋肉を伸ばしたり、ゆるめたりする運動。体の柔軟性を高めるために行う。
筋トレ
筋肉に負荷をかけて収縮させる運動。筋肉を強化したり、肥大させるために行う。
ストレッチも筋トレも筋肉に働きかける運動ですが、具体的な動きや目的は大きく異なります。その違いを解説しましょう。
ストレッチ
ストレッチは筋肉を伸ばしたり、ゆるめたりする動きを中心に行います。目的は体の柔軟性を高めるためで、筋肉を鍛えるためではありません。筋肉の動かし方と目的が異なることが、筋トレとの一番の違いです。
また、ストレッチにはリラックス効果があるため、ストレス解消や睡眠の質の向上などに役立ちます。特に静的ストレッチは寝る前に最適な運動です。
筋トレ
筋トレは筋肉に負荷をかけながら動かす運動で、筋肉の強化や肥大を目的とします。ダンベルなどを使って行うウェイトトレーニングは、よく知られている筋トレの一つです。
筋トレを行うと筋肉が鍛えられ、強い力を発揮できるようになります。また、運動中は交感神経が優位になるので、心拍数が増えて活動モードになることもストレッチとの大きな違いです。
ストレッチと筋トレの順番はどれがベスト?
「動的ストレッチ・筋トレ・静的ストレッチ」の順がおすすめ!
ストレッチと筋トレは目的や効果が異なる運動ですが、組み合わせて行うと相乗効果を生むことができます。筋肉の成長と休息のために最もおすすめなのは、筋トレ前に動的ストレッチを行い、筋トレ後に静的ストレッチを行うやり方です。
それぞれの役割をうまく利用しよう!
①動的ストレッチでウォーミングアップ
筋肉をほぐして可動域を広げ、筋トレしやすい状態にする。
②筋トレで筋肉を鍛える
筋肉に負荷をかけながら動かし、一時的に筋組織を破壊して成長させる。
③静的ストレッチでクールダウン
こわばった筋繊維を伸ばして、筋肉の成長を促す。
2種類のストレッチと筋トレの役割を理解していれば、筋肉を効率よく成長させることができます。意識して使い分けてみましょう。
ストレッチはメリットだらけ!その効果とは?
ストレッチをすると心身に様々な良い影響があります。その健康効果を一つずつ見ていきましょう!
血流が良くなる
ストレッチで筋肉を伸ばすと、筋肉の中にある血管が適度に圧迫され、血流が良くなります。そして、これが血管を若返らせる秘訣にもなると言われています。
運動不足で体が硬い人は筋肉に柔軟性がなく、血管も硬くなっています。これがいわゆる動脈硬化です。弾力のない血管は徐々に詰まりやすくなり、心臓病や脳卒中などのリスクが高まります。その予防法として役に立つのが、ストレッチなのです。
ある研究によると、ストレッチによって血流が良くなると、動脈硬化も改善されることが分かっています。その結果、命に関わるような病気を予防することもできるのです。
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肩こりや腰痛が和らぐ
肩こりや腰痛の主な原因は血行不良です。特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢をとり続けていると、肩や腰の筋肉が緊張して血流が悪くなってしまいます。こんな時も、ストレッチが役立ちます。
肩や腰の筋肉をストレッチすれば、血流が良くなってこりや痛みが改善されます。座ったままできるストレッチもたくさんあるので、デスクワークの合い間に取り入れてみましょう。
痛みが強い時は無理をしないこと!
肩や腰の痛みは、関節の炎症や神経の圧迫などが原因の場合もあります。痛みが強い時は無理をせず、早めに医療機関を受診しましょう。
むくみがとれる
ストレッチは血流だけでなく、リンパの流れも良くします。
リンパとは?
老廃物などを運ぶ水分や、その水分が流れる管などのこと。全身に張り巡らされたリンパ管の中をリンパ液が流れている。
リンパも血液と同じように、筋肉のこりなどが原因で流れが滞ります。リンパの流れが悪くなると、老廃物がうまく排出されなくなり、むくみの原因になります。
ストレッチで筋肉がほぐれると、その周囲にあるリンパの流れも良くなり、むくみがとれます。むくみのせいで太って見える人などは、むくみがなくなるだけでダイエットできることもあります。
疲れが回復する
現代人が感じる疲れは、血流やリンパの流れの滞り・自律神経の乱れ・ストレスなど、様々な要因によるものです。実はストレッチには、これらの原因の多くを改善する力があります。
ストレッチは血液やリンパの流れを良くするだけでなく、副交感神経を優位にしてリラックス効果を高める働きもあります。特に静止した状態で行う静的ストレッチは、精神の安定やストレス解消などに最適です。
疲れを感じた時は、体を休める前に軽くストレッチすると心身がすっきりします。疲労の回復も早くなるので、ぜひ実践してみましょう。
よく眠れる
静的ストレッチはリラックス効果が高く、寝る前に行うと睡眠の質が向上します。これには自律神経の働きが深く関係しています。
自律神経とは?
体温の調節や内臓の働きなどをコントロールする神経。交感神経と副交感神経の2種類に分かれ、状況に応じて切り替わる。
交感神経とは?
体を活動モードにする神経。心拍数を増やしたり、汗を分泌させたりする。
副交感神経とは?
体をリラックスモードにする神経。心を落ち着かせたり、消化を促したりする。
ぐっすり眠るためには、副交感神経が働いて心身がリラックスした状態でいることが大切です。静的ストレッチには副交感神経を優位にさせる効果があるため、寝る前に行うと良い睡眠を得ることができます。
毎日続けよう!おすすめの簡単ストレッチメニュー5選
ここでは、体の硬い人でもできる簡単ストレッチをご紹介しましょう。シンプルなメニューですが、毎日続ければ確実に体の変化を実感できるはずです。
肩甲骨ストレッチ
- お尻の前で両手を組む。
- 組んだ手を上げられる高さまで持ち上げる。
- 肩甲骨を中心に寄せていることを意識する。
肩こりを解消するのに効果的なのは、肩甲骨周りの筋肉のストレッチです。このストレッチは座ったままでもできるので、デスクワークで疲れた時などにこまめに行いましょう。
首のストレッチ
- 右手を頭の上に持っていき、手のひらを左の側頭部に添える。
- 右手を使って頭をゆっくり右へ倒し、首の左側を伸ばす。
- 頭を元の位置に戻したら、今度は左の手のひらを右の側頭部に添える。
- 左手を使って頭をゆっくり左へ倒し、首の右側を伸ばす。
デスクワークやスマホの使い過ぎなどで首が前傾すると、首の筋肉が凝り固まってしまいます。首のこりは肩こりや頭痛の原因になるので、じっくりストレッチしてよくほぐしましょう。
腰のストレッチ
- 床の上に四つん這いになる。
- 息を吐きながら背中を丸め、おへそを覗き込むように首も丸める。
- 元の姿勢に戻す。
- 息を吸いながら背中を反らし、お尻を突き出す。
四つん這いになって背中を丸めたり反らしたりするストレッチは、背中や腰の筋肉をほぐす効果があります。この部分の筋肉は良い姿勢を保つための重要なパーツで、こりをほぐすと腰への負担が軽減されます。
太もものストレッチ
- 床に座り、両足を真っ直ぐ伸ばす。
- 両手でつま先をつかみ、上体を倒す。
太もも裏の筋肉をしっかり伸ばすと、足がスムーズに動くようになり、歩き方や立ち姿が若々しく見えます。また、骨盤を正しい位置で支えられるようになるため、骨盤のゆがみや猫背の改善にも役立ちます。
股関節のストレッチ
- 床に座り、ひざを曲げて左右の足裏を合わせる。
- 合わせた足を両手でつかみ、上体を前に倒す。
股関節も太ももと同様に、下半身をスムーズに動かすための大切なパーツです。また、太ももの付け根には太い血管やリンパ節があるため、股関節をストレッチすると冷えやむくみが解消します。
ストレッチする時の注意点
・無理のない範囲で伸ばそう
・食後すぐのストレッチはNG
運動が苦手な人でも続けやすいのがストレッチの良いところですが、体が硬い場合は無理をせず、できる範囲で行いましょう。ポイントは「気持ちのいい範囲まで伸ばすこと」。無理にストレッチすると、筋肉や関節を痛める恐れがあるのでご注意ください。
また、食後すぐのストレッチはNGです。食後は胃に血液が集中していますが、運動するとその血液が全身に分散して消化不良を起こすことがあります。食後にストレッチをする場合は、食事が終わって1時間くらい経った頃を目安に行いましょう。
まとめ
ストレッチには体にうれしい効果がたくさんあり、筋トレの効果を上げる働きもあります。そして、ジムで指導するストレッチトレーニングは、そんなストレッチのメリットを最大限に活用できるおすすめのトレーニングです。
体の不調でお悩みの方や、筋トレの効果をもっと上げたいという方は、ぜひストレッチトレーニングにチャレンジしてみてはいかがでしょう?