シンプルな器具を使うだけで数百種類ものエクササイズが可能になる「TRXトレーニング」。日本でも注目度が高いトレーニングなので、気になっている人は多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、TRXトレーニングについて詳しくご紹介します!
- TRXトレーニングとは何か知りたい
- TRXトレーニングの効果が気になる
- どんなメニューがあるか知りたい
- 自宅とジムとどちらがいいか迷っている
このような方向けにわかりやすく解説をしています。
ぜひご覧ください!
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TRXトレーニングとは?
ゴムで伸びる器具に体重を預けながら行うトレーニングのこと!
TRXトレーニングは、アメリカの海軍特殊部隊の司令官だったランディ・へトリック氏が隊員のために考案したトレーニング方法です。
元々は軍人向けのプログラムでしたが、現在はトップアスリートから運動初心者まで、幅広いタイプの人が利用できるトレーニングとして親しまれています。
TRXって何の略?
TRXは「Total body Resistance Exercise」の略で、直訳すると「全身の抵抗運動」という意味になります。「抵抗運動=レジスタンス運動」は、筋肉に負荷をかけながら繰り返し行う運動のことを指します。
その名の通り、TRXは適度な負荷をかけて行うトレーニングです。
TRXトレーニングの種類
サスペンショントレーニング
持ち手の付いた2本のゴムを使って行うトレーニング
リップトレーニング
ゴムチューブとつながったバーを持って行うトレーニング
TRXトレーニングには、主にサスペンショントレーニングとリップトレーニングの2種類があります。
2つのトレーニングにはそれぞれ専用の器具があり、どちらもゴムの抵抗を利用するのが大きな特徴です。体重をかけながらゴムを引っ張り、ゴムが元へ戻ろうとする力に抵抗することで筋肉を鍛えます。
TRXトレーニングの代名詞と言えるのは、創立者のランディ・へトリック氏が考案したサスペンショントレーニングです。続いては、そのサスペンショントレーニングについて詳しくご紹介しましょう。
TRXサスペンショントレーニングとは
TRXを象徴するトレーニング。器具を固定する場所があれば、どこでもできる!
TRXには主に2種類のトレーニング方法がありますが、ほとんどの場合は「サスペンショントレーニング」のことを指します。サスペンショントレーニングは、シンプルな器具とそれを固定する場所さえあれば、どこでもできるトレーニングです。
サスペンショントレーナー
2つのハンドルに強力なゴムが付いた物。ハンドルを握って引っ張ったり、フットクレードルに足先を通して下半身を支えたりする。
アンカー
サスペンショントレーナーを設置するための物。ドアに設置するドアアンカーや、バーなどに結び付けるサスペンションアンカーなどがある。
マウント
天井や壁などにサスペンショントレーナーを設置するための物。ボルトで固定する。
サスペンショントレーニングのやり方
ハンドルを握るやり方
2つのハンドルを左右の手で握り、足を床につけた状態でゴムの伸びに全体重を預ける。
フットクレードルを使うやり方
ハンドルの下にあるフットクレードルにかかとやつま先を入れ、床に仰向けになったり、腕だけで体重を支えたりする。
サスペンショントレーナーのハンドル部分は、手で握るハンドルと足を入れるフットクレードルが一体になっています。
ハンドルを握って体を斜めにすると、握力だけで体重を支える姿勢になります。一方、フットクレードルに足を入れると足が浮いた状態になり、腕や背中などで体重を支える姿勢になります。
TRXトレーニングのメリット
TRXトレーニングはシンプルな器具で効率的にトレーニングできるのが魅力です。そのメリットについて解説しましょう!
全身が鍛えられる
サスペンショントレーナーは手と足の両方で使えるようになっており、使い方によっていろいろな姿勢を維持できます。エクササイズの数は数百種類にも及び、組み合わせ方次第で全身がバランスよく鍛えられます。
また、筋トレ・ストレッチ・ヨガなど、ジャンルを超えたトレーニングをサスペンショントレーナー一つで行えるのもメリットです。
運動の強度を調節できる
サスペンショントレーナーは使い方によって簡単に負荷を調節できます。初心者におすすめなのは、以下のような方法です。
ハンドルの引き方
ハンドルを引っ張って体重を預ける時、体を斜めにするほど重力が増す。
足の開き方
ハンドルを引っ張る時、足の開き方を狭くしたり、片足で立ったりすると負荷が増す。
フットクレードルの位置
フットクレードルに足を入れる時、サスペンショントレーナーを体の方向に引っ張ると、ゴムが戻ろうとして足にかかる負荷が増す。
サスペンショントレーナーはゴムが伸びるほど元に戻ろうとする力が強くなり、それに抵抗するためにより多くの筋力を必要とします。また、床に接している体の部分が不安定なほど、バランスをとるために体幹を使うので筋肉が鍛えられます。
女性や高齢者でも使える
サスペンショントレーナーは引っ張り方で強度を調節できるので、筋力が弱い女性や高齢者でも無理なく使えます。実際に日本の介護施設でも、TRXトレーニングを介護予防やリハビリに取り入れて成果を出しているケースがあります。
例えば、天井からサスペンショントレーナーを吊り下げて長さを調節すれば、椅子に座ったままでもストレッチやトレーニングが可能になります。そのため、立って運動するとふらついてしまう高齢者でも、ケガのリスクを回避しながらしっかりトレーニングできるのです。
持ち運びが可能でどこでもできる
サスペンショントレーナーはコンパクトに持ち運びができて、アンカーという器具を使えば簡単に設置できます。アンカーには主に以下の2種類があります。
ドアアンカー
ドアの上部に引っかけ、ドアを閉めてサスペンショントレーナーを設置する器具。自宅や旅行先などで気軽にトレーニングできる。
サスペンションアンカー
バーに結んで取り付けるリボン状の器具。頑丈なバー・鉄棒・樹木などを利用してサスペンショントレーナーを設置できる。
サスペンショントレーナーとアンカーをセットで持ち歩いていれば、ちょっとした空き時間にすぐにトレーニングできます。室内と外の両方で使える点も、大きなメリットの一つです。
TRXトレーニングの5つの効果!
TRXトレーニングを続けていると、体にいろいろな変化が起こります。その具体的な効果について、詳しく見ていきましょう!
体脂肪が減る
TRXトレーニングはメニューの種類が非常に多いため、無酸素運動も有酸素運動もできるのがメリットです。脂肪燃焼効果が高い有酸素運動を行えば、代謝が上がって体脂肪を効率よく減らせます。
無酸素運動と有酸素運動はどう違う?
無酸素運動
筋トレなどのように短時間に強い負荷をかける運動。筋肉に蓄えたグリコーゲンをエネルギーにする。
有酸素運動
ウォーキングやジョギングなど、負荷が軽く長時間できる運動。グリコーゲンをエネルギーとして使い切ると、酸素を利用して脂肪を燃焼させる。
有酸素運動を20分以上続けると、脂肪の燃焼効果が高まると言われています。TRXトレーニングは運動の強度を自由に調節できるので、軽い負荷の運動を長く続けることで脂肪を効率よく燃焼できるのです。
全身が引き締まる
TRXトレーニングはいろいろな姿勢でトレーニングできるので、全身がバランスよく引き締まります。特に効果が高いのは体幹です。
体幹とは?
胴体のこと。全身を支える部分なので、鍛えると姿勢が良くなったり、体を動かしやすくなったりする。
TRXトレーニングは体幹でバランスをとるメニューがほとんどです。そのため、体の深部にあるインナーマッスルまで鍛えられ、すっきりとした美しいボディラインに変化します。
持久力がつく
TRXのトレーニング中は心拍数や呼吸数が上がり、血液や酸素が全身を巡ります。心肺機能が活発になるため、トレーニングを続けるうちに持久力がついて疲れにくい体になります。
持久力がつくと日常生活でできることが増えていきます。仕事や家事を楽にこなせるようになったり、スポーツのパフォーマンスが上がったりと、いろいろな場面でこれまで以上に力を発揮できるようになります。
体の可動域が広がる
TRXサスペンショントレーナーは体に負荷を加えるだけでなく、支える役割も持っています。そのため、関節にかかる負担を和らげ、可動域を広げることができます。
例えば、フットクレードルでかかとやつま先を支えれば、足が宙に浮いた状態になるので重力が軽減されます。すると、体を楽に支えられるようになり、器具を使用しない自重トレーニングよりも柔軟に動くことができるのです。
肩こりや腰痛が改善する
肩こりや腰痛は筋肉のこわばりや血流不足が原因になっていることが多く、ストレッチが症状の改善に有効です。しかし、硬くなった体を無理に動かすと逆に悪化してしまうこともあるため、何らかのサポートを受けながら行う方が安全です。
こんな場合にも、TRXトレーニングが役に立ちます。サスペンショントレーナーにつかまりながらストレッチすれば、肩や腰の負担を軽減しながら、気持ちのいい範囲で筋肉を伸ばしたりほぐしたりできます。強度の調節も簡単なので、体の硬さに合う負荷をかけることができます。
【初心者向き】TRXトレーニングの基本メニュー
TRXトレーニングにはたくさんのメニューがありますが、初心者にはシンプルな基本メニューがおすすめです。ここでは、運動が苦手でもやりやすいメニューをご紹介しましょう。
ローロウ
TRX JAPANさんの動画!
- サスペンショントレーナーのハンドルを握り、軽く脇をしめる。
- ゴムの伸びを感じながら、少しずつ両足を前に出して体を斜めにする。
- 無理のない角度まで体を倒したら、腕を伸ばして握力で体重を支える。
- ハンドルを引っ張り、ひじを曲げて体を上に持ち上げる。
ローロウはサスペンショントレーナーにつかまりながら、上向きで腕立て伏せをするトレーニングです。斜めになった体を腕の力で支えるので、自然と体幹に力が入り、インナーマッスルまで鍛えられます。
角度を変えて負荷を加えよう!
体重を支えることに慣れてきたら、足をさらに前に出して体を深く倒してみましょう。体を倒せば倒すほど腕で支える重みが増すので、強度の高いトレーニングになります。
スクワットロウ
TRX JAPANさんの動画!
- サスペンショントレーナーのハンドルを握り、軽く脇をしめる。
- 両足を少し前に出して、体を斜めにする。
- 両腕を伸ばして体をさらに倒し、そのまましゃがむ。
- 立ち上がり、ハンドルを引き寄せるようにして2の体勢に戻る。
スクワットロウはローロウとスクワットを組み合わせたトレーニングです。両手で体を倒したり起こしたりしながら、しゃがむ動作も加えて下半身も鍛えます。
スクワットロウもローロウと同様に、体を深く倒すほど負荷が増します。慣れてきたら体を倒す角度を変えて、負荷を上げてみましょう。
ハムストリングカール
- フットクレードルにかかとを入れ、両足を伸ばして床に仰向けになる。
- お尻を持ち上げて、かかとから肩まで真っ直ぐにする。
- 両膝を曲げたり伸ばしたりする。
ハムストリングカールは、フットクレードルにかかとを入れた状態で太ももの裏側や背筋などを鍛えるトレーニングです。主に体の後面を使うため、腰痛の予防にもなります。
お尻が下がらないように注意!
ハムストリングカールは常にお尻を持ち上げた状態で行うのがポイントです。体が一直線になるように意識しながら行いましょう。
TRXトレーニングは自宅とジムでどう違う?
自宅 | スポーツジム | |
時間の自由度 | いつでもできる | 営業時間しかできない |
施設の充実度 | 設置場所が限られる | 設置場所が多い |
トレーニング内容 | 間違いや偏りが生じやすい | 正しいやり方でできる |
TRXトレーニングは自宅でもできる手軽さが魅力です。しかし、自宅でのセルフトレーニングは効果を最大限に発揮できないことも多いのがデメリットです。自宅とジムではどんな点が異なるのか、詳しく見ていきましょう。
時間の自由度
【自宅】いつでもできる
【ジム】営業時間しかできない
自宅でトレーニングする最大のメリットは、いつでも好きな時にトレーニングできることです。夜間や雨の日など、外で運動しづらい時でも気軽にできます。
一方、スポーツジムは営業時間内に行かなければできません。24時間利用できるジムもありますが、予約制のジムの場合は、思い立った時にすぐトレーニングできないというデメリットがあります。
施設の充実度
【自宅】設置場所が限られる
【ジム】高い天井や鉄骨のバーなど、いろいろな場所に設置できる
自宅でサスペンショントレーニングを設置する場合、最も簡単なのはドアアンカーを使ってドアに設置する方法です。しかし、一般的な住宅のドアはアンカーポイントの理想的な高さより低いことが大半で、トレーニングのメニューによってはサスペンショントレーナーを短くする必要があります。
一方、ジムのスタジオは天井が高く、マウント(TRXの固定器具)がすでに設置されていたり、鉄骨のバーにリボン状のマウントを結び付けたりできます。サスペンショントレーナーの長さを十分に確保できるので、どんなメニューも自在にこなせるのがメリットです。
トレーニング内容
【自宅】フォームが間違っていたり、トレーニングメニューが偏ったりしやすい
【ジム】正しいフォームや最適なプログラムを指導してもらえる
TRXトレーニングは正しいフォームで行わなければ効果を実感できません。また、全身をバランスよく鍛えるためには、メニューの組み合わせ方も非常に重要です。
自宅でのセルフトレーニングは、フォームの間違いやメニューの偏りに気付きにくいのがデメリットです。間違ったフォームでトレーニングを続けていると、筋肉や関節を痛める原因にもなります。
一方、スポーツジムはTRXトレーニングを熟知したトレーナーが丁寧に指導してくれます。フォームの間違いをその都度修正してもらえたり、痩せたい部分に効くメニューを提案してもらえたりするので、最速で結果を出せるのが大きなメリットです。
まとめ
TRXトレーニングは自分に合った強度で運動できる理想的なトレーニング方法です。
「興味はあるけれど、やり方がよく分からない」という方は、ぜひジムで正しいやり方を教わってボディメイクに活かしてくださいね!
参考文献